マリナーズの菊池雄星起用法は? 5試合に1度は「オープナー」

メジャーリーグのいくつかのチームは、リリーフ投手を先発で起用する「オープナー戦法」を昨季から採用している。しかし、今季のマリナーズは、本来の目的とは違った形で「オープナー戦法」を用いる予定だ。マリナーズは、今季からメジャーリーグに挑戦する菊池雄星の投球イニング数に制限を設けるため、5試合に1度のペースで菊池を1イニング限定の「オープナー」として起用する方針を明らかにしている。

マリナーズは今季も引き続き、5投手による伝統的な先発ローテーションを形成し、ブルペンが試合終盤のイニングを担う予定だ。ただし、菊池については投球イニング数に制限を設け、5試合に1度のペースで1イニング限定の起用とする方針。その際、マイナーからジャスタス・シェフィールドやエリック・スワンソンといった若手有望株を昇格させ、菊池が1イニングで降板したあとの長いイニングを任せて経験を積ませるようだ。よって、菊池は1ヶ月に1度くらいのペースで「オープナー」として起用されることになる。

つまり、マリナーズの「オープナー戦法」は本来の目的とは異なる形で用いられることになる。ジェリー・ディポートGMのこのプランに、スコット・サービス監督も賛同しており、マリナーズは今季の戦いのみならず、長期的な視野に立って菊池の起用法を考えていることがうかがえる。日本では先発投手は1週間に1度先発するのが一般的だが、5投手による先発ローテーションが主流のメジャーリーグでは、中4日で先発するのが当たり前。マリナーズが採用する「オープナー戦法」には、菊池がメジャー式の先発ローテーションに慣れるのを手助けする狙いもあると見られる。

菊池はメジャーデビュー戦となった3月21日のアスレチックス戦(東京ドーム)で、勝利投手の権利を目前にしながらマウンドを降りた。要するに、マリナーズは目先の結果や勝利よりも、菊池の将来を最優先に考えたうえで、菊池の球数や投球イニング数をコントロールしていく考えなのだ。菊池は今季のみならず、中長期にわたってマリナーズにとって必要な戦力と見なされているのである。

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