ヘイト団体集会計画 施設使用可否、法務省通知踏まえ判断

瀬戸氏らのヘイト集会で掲げられた抗議のプラカード=2月11日、川崎市教育文化会館

 【時代の正体取材班=石橋学】人種差別の扇動を繰り返す極右政治団体「日本第一党」の最高顧問・瀬戸弘幸氏が立ち上げた団体が31日に川崎市教育文化会館(川崎区)で集会を計画していることが分かった。団体の代表は市議選の立候補者予定者で、選挙運動の一環とみられる。市は統一地方選に向けて法務省が出したヘイトスピーチに関する通知を踏まえ、市のガイドラインに照らして会館使用の可否を判断する。

 この団体は、29日告示の市議選で川崎区から出馬予定の佐久間吾一氏が代表を務める。過去に参加者や登壇者が差別発言をしており、昨年12月と今年2月の集会では市に「差別的言動を行う恐れがある」と認定され、警告を受けている。

 瀬戸氏はブログで「個人演説会」を行うと告知。弁士に佐久間氏、応援弁士に自身の名前を明記し、市は「選挙期間中であり選挙運動ではないか」とみる。

 選挙運動におけるヘイトスピーチに関して法務省人権擁護局は今月、「選挙運動で行われても違法性は否定されない」との見解を各地方法務局や川崎市などの自治体に通知した。市人権・男女共同参画室は「通知も踏まえて使用の可否を決める」としている。

 公的施設での差別的言動を未然に防ぐガイドラインでは、告知情報や活動歴などを基に施設使用の可否を判断すると定める。瀬戸氏は在日コリアンへの差別をあおるデモや街宣を繰り返し、佐久間氏の活動の支援を公言するブログでも市臨海部に暮らす在日市民を指して「退去せよ」と排斥するヘイトスピーチを掲載している。

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