選挙ヘイト対策徹底を 公明党が政府に要請

菅官房長官との面会後に取材に応じる遠山座長=首相官邸

【時代の正体取材班=石橋 学】統一地方選の立候補者らにより「選挙運動に名を借りたヘイトスピーチ」が横行する恐れがあるとして、公明党は26日、適切な対応を政府に要請した。告示を前に法務省人権擁護局が示した「選挙運動で行われた差別的言動も違法性は否定されない」との見解を周知徹底するよう求めた。

 菅義偉官房長官に要請書を手渡した党ヘイトスピーチ問題対策プロジェクトチームの遠山清彦座長は「差別発言が違法なのはヘイトスピーチ解消法で明確になった。選挙活動でも違法なものは違法」と強調。2016年成立の同法は、同党の要請で菅氏が実態調査を指示して立法にこぎ着けた経緯もあり、菅氏は「『ヘイトスピーチを許さない』という政府方針の立場から、きちんと対処したい」と応じたという。

 要請書では「制度を悪用し公然とヘイトスピーチを行う手法に深い懸念を抱いている。根絶には政府一体の取り組みが必要」と指摘。▽法務省見解を警察庁や国家公安委員会、地方公共団体、選挙管理委員会に周知徹底し、適切な対処を促す▽政府広報などを活用し国民への啓発強化を行う-ことを求めている。

 統一地方選では、在日外国人の排斥を唱える極右政治団体「日本第一党」が相模原市議選に3人の候補者を立てる予定で、川崎市議選でも第一党幹部が無所属候補を応援するとしている。

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