"真”の助っ人は現れるか 王柏融、ビヤヌエバら12球団新外国人の戦力分析

日本ハム・王柏融【写真:荒川祐史】

オープン戦、各球団の新外国人選手はどうだった?

 プロ野球のオープン戦は24日に全日程終了。オープン戦では主力選手は個人成績を度外視して調整、若手選手は開幕1軍へのアピールの場となる。チームにとっては戦力の見極め、新戦術のお試しの場として活用している。

 オープン戦は最初に新外国人の姿を見ることができる格好の場だ。今回は各球団の主な新外国人選手のオープン戦での成績を紹介したい。もっとも、特に外国人選手はオープン戦を調整の場として考えていることが多く、シーズンではいい意味で、あるいは悪い意味で期待を裏切ることも多くあるため、参考程度に見ていきたい。

○広島
レグナルト投手
5試合5回 0勝0敗0セーブ 11奪三振 防御率0.00
ローレンス投手
1試合5回 0勝0敗0セーブ 6奪三振 防御率5.40

 外国人枠の争いが熾烈な広島で、強烈なアピールに成功したのはレグナルトだ。米国時代から奪三振に優れる左腕はオープン戦で奪三振率19.80をマークし、支配的な投球を見せた。先発投手として期待されたローレンスは存在感を示せず。開幕は2軍で迎えることが濃厚か。

○ヤクルト
マクガフ投手
7試合7回 0勝0敗0セーブ 6奪三振 防御率1.29
スアレス投手
3試合9回 0勝1敗0セーブ 9奪三振 防御率5.00

 ヤクルトはオープン戦でバレンティンをはじめ、好調の2年目ハフと新外国人のマクガフの両中継ぎ投手が開幕1軍となりそうだ。手薄な先発陣を救う存在として期待されたスアレスは防御率5.00とアピール不足に終わった。

8人の外国人選手を抱える巨人、新加入2人はいずれも苦しむ

○巨人
クック投手
6試合6回 0勝0敗1セーブ 6奪三振 防御率6.00
ビヤヌエバ内野手
14試合8安打1本塁打4打点 打率.195

 支配下登録に大量8人の外国人が揃う巨人。MLB通算236試合登板のクックと昨季20本塁打のビヤヌエバは鳴り物入りで加入も、ここまでは苦しむ試合が続いている。特に開幕スタメンが期待されていたビヤヌエバは打率が2割を割っている。レギュラーシーズンで対応できるか。長年ブルペンを支えたマシソンが離脱していることもあり、クックには大車輪の活躍が求められる。

○DeNA
なし

○中日
ロメロ投手
4試合15回 0勝1敗0セーブ 11奪三振 防御率4.80

 優良助っ人の多い中日の新外国人ロメロは、MLBではリリーフとして活躍したが、日本では主に先発として4試合に登板。防御率こそ目立たないが、開幕ローテを任されることが濃厚。昨季2桁13勝を挙げたガルシア級の活躍が期待される。

○阪神
ジョンソン投手
7試合7回 0勝0敗0セーブ 10奪三振 防御率0.00
マルテ内野手
6試合4安打0本塁打1打点 打率.250

 メッセンジャーが日本人登録扱いとなる今季はジョンソンとマルテを新外国人として補強。ジョンソンはオープン戦で自責点0と安定感抜群の投球を見せ、ブルペン陣を引っ張る存在になりそう。今一つ波に乗り切れていないマルテは故障の影響もあり、開幕は2軍か。ジョンソン、ドリス、ナバーロに加え中日から加入のガルシアで開幕を迎えるだろう。

○西武
ニール投手
2試合9回 0勝1敗0セーブ 6奪三振 防御率7.00

 先発投手候補の一角として獲得したニールはオープン戦では防御率7.00と苦しんだ。ただ、チームは内海、ドラフト1位の松本航ら先発陣に故障者が出て、先日発表のあった開幕ローテーションに組み込まれることとなった。昨季途中にはマーティン、ヒースを獲得、優勝へ戦力となっただけに、新助っ人の活躍を期待したいところだ。

○ソフトバンク
なし

日本ハムは3人全員が結果を残す

○日本ハム
ハンコック投手
4試合4回 0勝0敗0セーブ 6奪三振 防御率0.00
バーベイト投手
2試合6回 0勝0敗0セーブ 4奪三振 防御率3.00
王柏融外野手
9試合7安打1本塁打4打点 打率.280

 3人の新外国人を獲得した日本ハム。勝ち継投の一角として期待されるハンコックは4試合で自責点0と好調。先発候補のバーベイトもここまで防御率3.00と出来は上々だ。台湾の4割打者として期待される王は、ここまで打率.280を残した。一方で出塁率、長打率は伸びず、若干の不安材料か。

○オリックス
エップラー投手
1試合2回2/3 0勝0敗0セーブ 0奪三振 防御率3.38
メネセス内野手
13試合11安打1本塁打4打点 打率.289

 エップラーはオープン戦初登板となった8日の巨人戦で3回途中1失点。思うような好投とはいかず、2軍調整となっている。メネセスはOPS.805と上々の出来。先日行われた侍ジャパンの強化試合にはメキシコ代表として参戦して大暴れを見せた。ロメロ、マレーロらと共に中核を担いそうだ。

○ロッテ
レイビン投手
登板なし
ブランドン投手
1試合4回 0勝1敗0セーブ 5奪三振 防御率4.50
バルガス内野手
14試合4安打3本塁打5打点 打率.095

 12年以来のNPB復帰となったブランドンは1試合のみの登板も開幕ローテーション濃厚。大砲候補として獲得したバルガスは明るい性格で話題となっているが、結果が出ていない。とはいえ前評判の高かったパワーは本物で、23日の巨人戦で両打席本塁打を放つなど、復調の兆しをみせている。抑え候補のレイビンはオープン戦登板がなかった。

○楽天
ブセニッツ投手
6試合6回 0勝0敗1セーブ 5奪三振 防御率4.50
ブラッシュ外野手
12試合14安打3本塁打15打点 打率.350

 勝ちパターンの一角として期待されるブセニッツは6試合で防御率4.50。シーズン前の調整としてはまずまずといったところか。4番候補のブラッシュは打率.350と絶好調。規定未到達ながら15打点は12球団トップタイで、新加入の浅村とともに主軸を担いそうだ。(Full-Count編集部)

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