【MLB】元阪神助っ人は逆境…ツインズの「2人のロサリオ」に明暗「違う世界にいる」

昨季阪神に在籍したツインズのウィリン・ロサリオ【写真:荒川祐史】

地元紙が特集「ツインズの2人のロサリオは近くだが違う世界にいる」

 昨季限りで阪神から自由契約となったウィリン・ロサリオ内野手は、ツインズとマイナー契約を結び、招待選手として今春のメジャーキャンプに参加していた。だが、オープン戦は4試合出場で5打数1安打の打率.200と苦戦。一方で、ツインズには同じ姓を持つエディ・ロサリオも在籍しており、オープン戦15試合に出場し打率.356と好調。エディは今や主軸打者で、「ツインズのロサリオ」は明暗が分かれている。

 ツインズの地元紙「スター・トリビューン」は、「ツインズの2人のロサリオは近くだが違う世界にいる」とのタイトルで特集を掲載。2人の現状について伝えており、その中で元阪神のロサリオがロッキーズでプレーしていた時代、多くの投手が捕手としてのプレーに「文句を言っていた」ことなどを紹介している。

 記事ではまず「5年前、エディは出場停止を受け、ウィリンはメジャーの正捕手だった。現在、エディはツインズで最高の選手かもしれないが、ウィリンはチームに留まることを目指している」と言及。2015年当時と現在とでは、2人のロサリオの立場が逆転してしまったという事実に言及している。

 元阪神のウィリンは、23歳だった2012年にロッキーズで正捕手の座を奪取。その年に100試合先発出場、28本塁打、71打点という好成績を残した。ウィリンはここから3年間、レギュラーとして活躍。「2014年1月の時点で、このドミニカ共和国出身のがっちりした若手捕手には、長くて稼げるメジャーリーグのキャリアが待っているように思われた」。まさに将来を嘱望される存在だった。

 一方で、当時22歳のプエルトリコ出身のエディは、マイナー時代の2014年1月に禁止薬物の陽性反応が出て、50試合の出場停止になったと記事では回顧している。

「ほとんどの投手たちは…捕手としての彼にかなり文句を言っていた」

 その立場が5年後の現在は完全に逆転。もっとも、当時からウィリンは問題を抱えていたという。「コロラドでは、ウィリンには捕球の問題があり、彼を正捕手として起用し続けることができないと決断された。彼は2015年の半分をマイナーで主に一塁手としてプレーした」。打てる捕手として台頭したが、キャッチング技術に問題があり、“捕手失格”の烙印を押されたというのだ。

 記事には、2014年当時にロッキーズに在籍していた名リリーバーのラトロイ・ホーキンス氏が登場。現在、2人のロサリオが在籍するツインズで特別補佐を務めている同氏は、「私は捕手としてのウィリンに問題はなかった。しかし、他のほとんどの投手たちは……捕手としての彼についてかなり文句を言っていたよ」と“暴露”。やはり、捕手としての能力にはかなりの問題があったようだ。

 5年前に出場停止処分を受けたエディは現在、ツインズで4番を打つほどの存在となった。一方で、ウィリンはマイナー契約からのメジャー昇格を目指して、招待選手として奮闘している。特集は「今春、彼らは数100ヤード(約91メートル)離れた距離にいるが、野球の世界では何光年も離れている」と、ウィリンには厳しすぎる一文で締めくくられている。

 昨季は阪神で期待に応えられず、1年で退団することとなったロサリオ。メジャー昇格を掴み取り、“名誉挽回”できるだろうか。(Full-Count編集部)

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