川崎の無認可「幼稚園」倒産 新年度直前に保護者困惑

新年度直前に倒産、閉園となった認可外幼稚園の「A.L.C.貝塚学院」=川崎市川崎区田島町

 川崎市川崎区にある認可外の幼稚園「A.L.C.貝塚学院」が倒産と閉園を保護者に通告していたことが27日、分かった。運営会社は近く、自己破産を申請するとしている。市や保護者によると園には300人ほどが通っており、新年度直前の突然の知らせに保護者らの動揺が広がっている。

 保護者や民間信用調査会社によると、同学院を運営しているのは1974年設立の有限会社「アメリカンラングエイジセンター」(同区)。関連会社とともに、体操や英会話を教えるキッズスクールも区内で運営している。

 保護者によると、26日夕に同学院から閉園を告げる一斉メールがあった。倒産の理由について「無認可のため、10月から始まる幼保無償化の対象外で園児が集まらず継続が困難になった」などと説明。29日に保護者向けの説明会を開くとしている。

 同学院は学校教育法上の幼稚園の認可はなく、市は「幼稚園に類似する教育施設」「幼児園」と位置付けている。認可外のため、施設への補助は行っていないが、市は申請があった場合、1人につき年額2万2千円を保護者に助成。2018年度は市内在住の3~5歳の園児約250人が補助を受けていた。

 市には困惑した保護者からの問い合わせが多く寄せられており、各区役所で相談に応じるとしている。

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