ふるさと納税返礼品で芸者とお座敷遊び 箱根町、今月から

箱根町のふるさと納税返礼品に加わった「箱根芸者お座敷券」(箱根町提供)

 箱根町はふるさと納税返礼品に「箱根芸者お座敷券」を今月から加えた。7万円以上の寄付で芸者の「花代」2万円相当の券と交換、お座敷遊びが体験できる。返礼品にお座敷券を導入するのは県内自治体で初めて。町への寄付額は右肩上がりを続けていたが、2018年度は低迷しており、起爆剤としても期待される。

 同町は1万円の寄付ごとに400ポイントを発行するポイント制を導入しており、お座敷券は2670ポイントで交換可能。1枚につき、箱根湯本芸能組合と契約する町内約40の宿泊施設で会食や宴会に芸者を呼ぶ花代2万円相当として利用できる。

 同組合によると、宿泊施設により異なるが花代の相場は芸者1人につき2時間で2万円程度。酌をしたり踊りや三味線を披露したりするお座敷ごとの稼働時間は平均約4時間で、お座敷券分を超える場合は超過分を支払う仕組みだ。

 同組合担当者は「お座敷を体験したことがない人にも気軽に利用してもらい、箱根の芸者の存在を広く知ってほしい」と話す。

 町財務課によると、町は寄付金の返礼品として町内の宿泊施設補助券や日帰り入浴施設利用券などを贈呈しており、町への寄付は15年度の約5億3700万円(3887件)から右肩上がりに。17年度には6億円を超えた。

 一方、18年度は「返礼割合を高く設定した他の自治体に寄付が一極集中した」(担当者)影響を受け、今年2月末現在で約4億3900万円(2560件)と低迷している。

 お座敷券を返礼品として贈呈している自治体は全国でも静岡県伊豆の国市など数件という。担当者は「お座敷券を箱根に足を運ぶきっかけにしてもらえたら」と期待している。

 寄付の申し込みは、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」か「ふるぽ」で受け付ける。利用可能な宿泊施設は、同組合ホームページに掲載している。

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