全中学で手話普及講座 新年度から ろう者ら講師派遣 長崎市

 長崎市は新年度から、4月施行の「手話言語条例」を推進するため、全市立中学39校の1年生を対象に手話普及講座を実施する。聴覚障害者と手話通訳者を講師として派遣する。
 市によると、県内8市町が既に条例を制定済み。諫早市は学校や保育所などでの出前講座を希望に応じて実施しているが、全中学校での普及講座開催は珍しいという。
 長崎市の手話言語条例では、教育機関や医療機関などで普及を進めると定めている。手話普及講座は、聴覚障害者のうち手話を使う「ろう者」が日常生活での経験を話し、簡単な手話を教えて理解を深めてもらう。授業や集会などでの講座を想定している。
 ほかに、手話の普及啓発のためのパンフレットを初めて作成し、市立小中学校に配布する方針。関連費約144万円を新年度一般会計当初予算に計上した。
 市は「手話言語に関心を持ってもらい、成長するにつれて手話を身に付けたり、使ったりする人が増えてほしい」としている。

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