全日本ロードもてぎ公開テスト2日目はホンダ高橋巧がトップ。ヤマハ中須賀は0.002秒差で2番手

 3月27日(水)より栃木県・ツインリンクもてぎで始まった全日本ロードレース選手権もてぎ公開テストは2日目を終え、高橋巧(Team HRC)がトップタイムを記録した。

 もてぎ公開テストは3日間のスケジュールだが、初日に参加したチームは2日目まで、2日目から参加したチームは3日目までというのが暗黙の了解となっている。主力チームは、初日の4メーカー合同枠を走っており、2日目がテスト最終日となった。

 公開テスト2日目は、JSB1000クラス、J-GP2クラス、ST600クラス、J-GP3クラスの4クラスが、それぞれ45分の走行が2本というスケジュールで行われた。

 JSB1000クラスは、まず中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が1回目のセッションで1分48秒687でトップタイム。気温の低いコンディションでも安定した速さを見せていた。一方、高橋巧は1分49秒046で3番手。2番手には渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)が1分49秒018でふたりの間に食い込んできていた。

 2回目のセッションは、天気が回復し気温も上昇する。このコンディションのもと、高橋は2台のマシンをテスト。メインカーの方で1分47秒943をマーク。このタイムが2日目のトップタイムとなった。

「初日に比べて2日目は、寒かったからか思ったほどタイムが伸びませんでした」と高橋は2日目の走りを振り返る。

「コンディション的には初日の方がよかったですね。ロングランは初日にできていたので、2日目は、いろいろパーツを試して有意義なテストになりました」

「レースウイークを迎えるための準備はできました。去年はケガをして事前テストを走れなかったので大違いですし、チームとしても前進していると思います。ぜひ結果につなげたいですね」

トップ高橋巧(Team HRC)から0.002秒差で2番手となった中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

 その高橋に僅か0.002秒差の1分47秒045で2番手となった中須賀は「テストは順調でしたね。初日の課題だったアベレージも、しっかり上げることができましたし、いいレベルに来ているので開幕が楽しみです。航汰も調子を上げてきましたし、混戦になればおもしろいレースができると思いますし、お客さんにもよろこんでもらえると思います。しっかり勝負できるようにして2レースとも優勝を獲りに行きたいですね」と、こちらも準備万端と言ったところだ。

 ヤマハワークスチームで3年目を迎える野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)も1分47秒台には入らなかったものの1分48秒073で3番手と自己ベストを更新。アベレージも上げてきている。

「まだ中須賀選手、高橋選手に比べると遅い部分があるので、レースウイークで改善してふたりと勝負できるようにしたいですね。ヤマハファクトリー3年目なので、内容にも結果にもこだわって行きたいと思っています」と野左根は意気込みを語った。

 ホンダ、ヤマハの両エースと調子を上げてきた野左根が、今回のテストでは抜きん出ており、この3人は確実にトップ争いを繰り広げそうだ。

 渡辺一樹、渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)も着々とテストメニューをこなしており、レースウイークでタイムアップしてくる可能性もありそうだ。また、秋吉耕佑(au・テルルMotoUPレーシング)も大幅にポテンシャルアップしたマシンを手に入れ、かつての韋駄天ぶりを発揮しそうな気配だ。

 一方、ヨシムラ入りし、2019年シーズンJSB1000クラスで最大の話題と言っても過言ではない加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTUL)は、淡々とテストをこなしていた。タイム的には、1分50秒を切っていないが、コースでも、いろいろ試している様子が伺え、こちらもレースウイークでタイムアップしてきそうだ。

 2019年がラストイヤーとなるJ-GP2クラスは、阿部恵斗( ウエビックチームノリックヤマハ)がケガで走行を取りやめたため、出走したのが9台と、やや寂しい感じだったが、名越哲平(MuSASHi RT HARC-PRO.)が、ただひとり1分53秒台に入れる1分53秒667をマーク。初日にトップタイム(1分53秒813)をマークした作本輝介(Team 髙武 RSC)は、ユーズドタイヤでのセットアップに終始し、1分54秒846で3番手。レースは、名越と作本との戦いになりそうだ。

 ST600クラスは、注目のルーキー荒川晃大(MOTOBUM HONDA)が1分54秒503でトップタイム。タイトル本命のひとりとも言える小山知良(日本郵便HondaDream)が1分54秒643で2番手、3番手にST600クラス3年目となる南本宗一郎(AKENO SPEED・YAMAHA)が1分54秒681、4番手にJ-GP3クラスからスイッチの菅原陸(GBSレーシングYAMAHA)が1分54秒903で続き、トップ4が1分54秒台だった。

 トップ4以下も、1分55秒台でずらりと続いており、レースは混戦となりそうな気配。イタリア選手権からの連戦でレースウイークから合流するディフェンディングチャンピオンの岡本裕生(51ガレージ ニトロレーシング)が、どんな走りを見せるか注目したいところだ。

 公開テスト2日目から走り始めたJ-GP3クラスは、女性ライダーの中山愛理(TEAM SHOTA)が2分02秒995でトップ。福嶋佑斗(Team Plusone)が2分03秒088、長谷川聖が2分03秒172、村瀬健流(ミクニ テリー&カリー)が2分03秒492と続いた。

 JSB1000クラスの2日目タイム結果は以下の通り。

■全日本ロードレース選手権もてぎ公開テスト JSB1000クラス2日目タイム結果(編集部集計)

Pos. No. Rider Team Machine Time Session

1 13 高橋巧 Team HRC CBR1000RR SP2 1’47.943 走行2回目

2 1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’47.945 走行2回目

3 4 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YZF-R1 1’48.073 走行2回目

4 26 渡辺一樹 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L9 1’49.018 走行1回目

5 23 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR 1’49.284 走行2回目

6 090 秋吉耕佑 au・テルル MotoUP RT CBR1000RR SP2 1’49.511 走行2回目

7 634 水野涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda CBR1000RR SP2 1’50.082 走行2回目

8 12 加賀山 就臣 ヨシムラスズキMOTUL GSX-R1000L9 1’50.190 走行2回目

9 15 Z.ザイディ Honda Asia-Dream Racing with SHOWA CBR1000RR SP2 1’50.815 走行2回目

10 75 前田恵助 YAMALUBE RACING TEAM YZF-R1 1’51.027 走行2回目

11 64 岩戸亮介 Kawasaki Team GREEN ZX-10RR 1’51.472 走行1回目

12 18 津田一磨 Team Baby Face YZF-R1 1’52.059 走行2回目

13 71 津田拓也 TK SUZUKI BLUE MAX GSX-R1000 1’52.540 走行2回目

14 87 柳川明 will-raise racingRS-ITOH ZX-10RR 1’52.718 走行2回目

15 080 羽田太河 au・テルル MotoUP RT CBR1000RR SP2 1’52.780 走行2回目

16 36 今野由寛 Moto Map SUPPLY GSX-R1000R 1’52.883 走行2回目

17 19 濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ CBR1000RRSP2 1’52.919 走行2回目

18 46 星野知也 TONE RT SYNCEDGE4413 S1000RR 1’52.952 走行2回目

19 85 中冨伸一 HiTMAN RC甲子園ヤマハ YZF-R1 1’53.391 走行2回目

20 3 M.アチソン KRP三陽工業&RS-ITOH ZX-10RR 1’53.416 走行1回目

21 44 関口太郎 Team ATJ CBR1000RR SP2 1’54.676 走行2回目

22 27 柴田義将 NIPPON SUMATRA BIO MASSE+D3 YZF-R1 1’54.848 走行2回目

23 35 亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team CBR1000RR SP2 1’55.201 走行2回目

24 88 中山真太郎 NAGAwithMOTOBUM CBR1000RR SP2 1’56.158 走行2回目

25 30 須貝義行 チームスガイレーシングジャパン RSV4 RF 1’56.814 走行2回目

26 22 児玉勇太 TEAM KODAMA YZF-R1 1’56.976 走行2回目

27 73 池田吉隆 NIPPON SUMATRA BIO MASSE+D2 YZF-R1 1’59.287 走行2回目

28 47 大貫貴彦 CLUBNEXT+ネオラグーナ CBR1000RR 2’00.029 走行1回目

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