FFG・十八銀の統合認可 金融庁 金利監視制度了承

 金融庁は29日、ふくおかフィナンシャルグループ(FFG、福岡市)が十八銀行(長崎市)を子会社化することを認可した。不当な金利の引き上げを監視するために銀行側が提案した制度について、実効性があると判断した。4月1日の経営統合に必要な条件が全てそろった。
 福岡財務支局で柴戸隆成FFG社長が認可書を受け取った。金融庁は銀行法のほか、市場寡占化の弊害防止措置を銀行側に求めた金融行政方針(昨年9月公表)に基づき審査していた。
 FFGによると、統合後に銀行が融資の金利水準を不当に引き上げないよう、融資実施前に同水準を確認する仕組みを導入。「県内中小企業向けの新規実行金利」を定期的に開示する。統合効果の顧客に対する還元の度合いも「事業承継支援先数」などで示す。こうした指標は顧客アンケートで改善を図る。行内、地元経営者や有識者でつくる第三者委員会、金融庁による実施状況のトリプルチェック態勢を敷く。
 同支局によると、昨年8月、公正取引委員会(公取委)による統合承認と同時に銀行側が公表した制度内容から「詳細を詰めた」という。
 FFGと十八銀は2016年2月、統合に基本合意。公取委は県内の企業向け貸出金シェアが過度に高まるのを懸念し、審査が難航した。公取委は他の金融機関に対する計1千億円近くの借り換え(債権譲渡)を条件に統合を承認。十八銀はFFG傘下の親和銀行(佐世保市)と20年10月に合併し「十八親和銀行」が発足する。

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