UCIワールドツアーのE3・ビンクバンク・クラシックでチェコのシュティバルが初優勝

ベルギー北部のフランダース地方で、3月29日に第62回E3・ビンクバンク・クラシック(UCIワールドツアー)が開催され、元シクロクロスチャンピオンのズデネク・シュティバル(ドゥクーニンク・クイックステップ)が、4選手でのゴールスプリントを制して初優勝した。

2位はウォウト・バナールト(チームユンボ・ビスマ)、3位はグレッグ・バンアーベルマート(CCCチーム)で、地元ベルギー勢が表彰台の両脇を占めた。

ユンゲルスが独走で逃げた

今年のベルギーは春の訪れが早く、レースは最高気温18℃で、ほとんど風がないおだやかな天候の下で競われた。ゴールまで残り61kmにあった舗装路の上り坂で、ルクセンブルクチャンピオンのボブ・ユンゲルス(ドゥクーニンク・クイクステップ)が集団から単独でアタックし、先頭の逃げグループに合流。これがレース展開を大きく左右した。

集団では残り42kmのパーテルバルフでバンアーベルマートが加速し、8人の精鋭グループが形成された。そこには最有力優勝候補と見なされていたスロバキアのペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)、ヨーロッパチャンピオンのマッテーオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット)、ミラノ〜サンレモ(UCIワールドツアー)で3位に入ったベルギーのオリベル・ナーセン(AG2R・ラモンディアル)、バナールトが入っていた。

先頭では、ゴールまで残り31kmのカルネメルクビークストラートの石畳の坂でユンゲルスがアタックし、得意の独走を開始した。後方では残り20kmのティーヘンベルフでバンアーベルマートの加速に付いて行けなかったサガンが追走グループから脱落する番狂わせがあった。

バンアーベルマートのアタックに耐えられたのはシュティバル、イタリアのアルベルト・ベッティオル(EFエデュケーションファースト)、バナールトだけだった。4人は30秒ほど先行するユンゲルスを追走したが、チームメートのシュティバルは終始後方でエネルギーを節約することができた。

ユンゲルスはゴールまで残り7kmを切った所で追走グループに捕まり、先頭は5人になった。そこから残り3.5kmでシュティバルがアタックしたが成功せず、疲れ知らずのユンゲルスがもう一度仕掛けたが、すぐに捕まってしまった。

最後は一度遅れたユンゲルスが再び追いつき、先頭を引いて残り1kmに突入。ゴール勝負で最初にスパートしたのはバンアーベルマートだったが、競り勝ったのはシュティバルだった。チェコ出身の選手が優勝したのは、勿論大会史上初の出来事だった。

シュティバルは3月2日に開催されたベルギーのシーズン開幕戦、オムロープ・ヘットニュースブラッド(UCIワールドツアー)でも優勝。33歳になって、やっと第2の故郷であるベルギーのセミ・クラシックのタイトルを2つ獲得した訳だ。ゴールスプリントで打ち負かしたのが、彼と同じようにシクロクロスの頂点を制したバナールトだったのは印象的だった。

■第62回E3・ビンクバンク・クラシック結果[3月29日/UCIワールドツアー/203.9km]
1. ŠTYBAR Zdeněk (DECEUNINCK - QUICK - STEP / CZE) 04:46:05
2. VAN AERT Wout (TEAM JUMBO - VISMA / BEL)
3. VAN AVERMAET Greg (CCC TEAM / BEL)
4. BETTIOL Alberto (EF EDUCATION FIRST / ITA)
5. JUNGELS Bob (DECEUNINCK - QUICK - STEP / LUX) 0:03
6. POLITT Nils (TEAM KATUSHA ALPECIN / GER) 1:04
7. TRENTIN Matteo (MITCHELTON - SCOTT / ITA) 1:04
8. NAESEN Oliver (AG2R LA MONDIALE / BEL) 1:04
9. SÜTTERLIN Jasha (MOVISTAR TEAM / GER) 1:04
10. HIRSCHI Marc (TEAM SUNWEB / SUI) 1:04

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