ホンダF1山本MS部長 予選日インタビュー:「ガスリーはちょっと自信をなくしてるように見える」

 F1第2戦バーレーンGP予選日はマックス・フェルスタッペンが一発のアタックで5番手になる一方、ピエール・ガスリーはQ2落ちの13番手となってしまった。レッドブル・ホンダの状況を山本雅史モータースポーツ部長に訊いた。
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──F2復帰第1戦の松下信治選手は、残念な結果に終わってしまいました。
山本雅史モータースポーツ部長(以下、山本部長):タイヤがうまく使えなかったですね。でもまだ開幕したばかりだし、うまく気持ちを切り替えられれば、絶対に本来の速さを出してくれると思いますよ。シーズン全般を見通した走りを、より心がけてほしいですね。

──F1の予選日も、いい1日とは言い難かったです。
山本部長:あくまで外から見ての印象ですけど、パッケージとしてまだ完成できてない感じですね。

──(ピエール)ガスリーにさっき話を聴くと、予測不能の挙動だと言ってました。まともに運転できないと。
山本部長:そう言っていましたか。他チームのドライバーも、けっこう苦労してましたね。ニコ・ヒュルケンベルグがQ1落ちしたり。

──対照的に同じパワーユニットを積むマクラーレンは、開幕戦に続いてランド・ノリスがQ3に進出しました。
山本部長:確かに一発は、速いですね。さっきのガスリーの話に戻ると、ちょっと気になるのは自信をなくしてるように見えるところですね。

──そもそもフェルスタッペンのチームですよね。そこに乗り込んで行って、結果を出すことが求められる。厳しいですよね。
山本部長:それは、そうです。ただね、将来世界チャンピオンになるような人は、それぐらいの試練は乗り越えるし、何かを見せてくれるものですよ。

──フェルスタッペンのQ3での一発アタックが、まさにそうでしたね。
山本部長:ここは予選は厳しいと、(クリスチャン)ホーナー代表も最初から言ってました。そんな苦しい状況の中でも、きっちり結果を出してくる。さすがとしか、言いようがないです。──ガスリーは、復調できるでしょうか。
山本部長:結局はメンタルだと思うんですよ。自分はナンバー1でずっとやってきて、レッドブルに上がってきた。そこでフェルスタッペンのパフォーマンスを目の当たりにして、萎縮してしまった部分もあるかもしれないですね。ガスリーがスーパーフォーミュラを走っていた時は、ここで結果を出してF1に行くんだという、向上心の固まりみたいなところがあった。それが今は、ちょっと見られない。

──F1に来て、満足してしまった?
山本部長:まさか満足はしてないでしょう。でもなんか、ギラギラしたものを失っているというか。そこがちょっと、気になるところです。

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