「保護者混乱に憤り」 認可外幼稚園破綻問題で川崎市長

福田紀彦・川崎市長(資料写真)

 川崎市川崎区の認可外幼稚園(幼児教育施設)「A.L.C.貝塚学院」の経営破綻を巡る問題について、同市の福田紀彦市長は2日の定例記者会見で、「年度末ぎりぎりの発表で保護者を混乱させたことに憤りを感じる」と述べた。一方で、こうした認可幼稚園に類似する施設について「行政が実態をどう把握すべきかは今後の課題」との認識を示した。

 学院側が経営困難になった理由を「幼保無償化の影響」としている点については「幼稚園の形態を取らず、独自路線でやってきた。幼保無償化がどれほど直接的な影響があるのか、分かりかねる」と慎重な見方を示した。

 市内で245人の影響があり、市は幼稚園協会などとも連携を取りながら、受け入れ態勢の協力を要請。市の学童事業でも受け入れられるよう態勢を整えるなどの対応をした。

 福田市長は「幼稚園に類似する施設は数が少なく、今回のケースは例外的ともいえる。幼稚園、保育園とは、経営状況を含めて連絡を密にしており、こういったことは起こらないと思うので安心してほしい」と強調した。

 同学院を巡っては、運営会社の「アメリカンラングエイジセンター」(同区)が経営に行き詰まり、新年度直前の3月26日に保護者へ閉園を通告。同区の企業が支援に名乗りを上げ、一転存続する方針が決まった。

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