修学旅行、大山に呼び込め 伊勢原市が取り組み加速

修学旅行の誘致に向け、市と市観光協会が作製したパンフレット

 公立中学・高校の修学旅行の行き先は2年ほど前に決まるとされる。市商工観光課によると、現在予約が入っているのは、宿坊での宿泊を20年6月に予定している名古屋市立中学校の1件。ほかにも東京都内の私立中から要望があり、関西、東海エリアの中学9校も検討している。

 昨年5月には帝京八王子中(東京都八王子市)の2年生44人が校外学習として大山を訪問。1泊2日の日程で宿坊を利用し、大山阿夫利神社での能楽や豆腐作りなどを体験した。学校からは「海外に行った時、日本文化について説明できるので、生徒からの評判は良かった」との声が寄せられたという。

 宿坊13軒の受け入れ人数は473人。今後は、伊勢原市観光協会の職員らがパンフレットを持参して首都圏や中部地方の中学・高校を訪れるなどし、PRを強化する考えだ。

 市観光協会は「歴史と文化を体験できる教育旅行として売り出し、宿坊の文化を次の世代に受け継ぐために宿泊客を確保したい」と期待。同課は「大人になっても大山へ行きたいと思ってもらえるようにしたい」と、将来のリピーター獲得もにらんでいる。

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