南米アルゼンチンで絶大な人気を集めるツーリングカー・シリーズ、スーパーTC2000(STC2000)の合同テストが開催され、今季から導入される新開発の2リッター直列4気筒直噴ターボを搭載した王者ルノー、トヨタ、シボレー、そして復帰するホンダや新規ワークス参戦を果たすフィアットらが集結。また2日間のテストに先立ってトヨタが新たなパートナーシップ締結を発表し、新体制でのエントリーをアナウンスした。
アルゼンチンの英雄的存在となるオスカー・カバレンの名を冠した国内第2の都市コルドバのトラックに集ったのは、2018年のチャンピオンチームであるルノースポール・アルゼンティーナを筆頭に、昨季までプジョースポールとして参戦し今季はフィアットのワークスサポートを受け、“フィアット・レーシングチームSTC2000”と名称を変えたDTAレーシング、そしてこちらもともに現地法人のファクトリー支援を受けるホンダ・レーシングとシボレーYPF、さらにシボレー同様に国営石油企業YPF傘下のブランド、Infinia(インフィニア)をタイトルスポンサーに迎えたTOYOTA GAZOO Racing YPF Infiniaの全5チームとなった。
3月下旬以降、フランスのオレカで製造されたワンメイク用新エンジンがアルゼンチンに到着すると、各陣営はこれまで慣れ親しんできたスズキの誇る2輪界のアイドル、隼(ハヤブサ)の直列4気筒エンジンをベースとしたイギリス・ラディカル製の超コンパクト2700ccV8自然吸気に別れを告げ、最新鋭の4気筒ターボをマシンへインストール。
各自シェイクダウンを経て行われた今回のテストでは、フランスから派遣されたエンジン開発担当エンジニアらがサポートを行うなかで全車ノートラブルで周回を重ねた。
エンジン到着後の適用第1号としてすでにプライベートテストを済ませているフィアット・ティーポSTC2000は今季レギュラーを務めるマリアーノ・ウェルナー、ファビアン・シャナンツォーニ、マティアス-ムニョス・マルケージの3名がドライブを担当。
それ以外は今回が初の4気筒直噴ターボのテストとなり、連覇を果たしたディフェンディングチャンピオンのファクンド・アルドゥソとリオネル・ペーニャがルノー・フルーエンスGTのシートをシェア。トヨタ・カローラは不動のエース、マティアス・ロッシとジュリアン・サンテロが、シボレーYPFクルーズはベルナルド・レイバーとアレッサンドロ・サレルノが、こちらも今季初参戦のホンダ・レーシング・アルゼンティーナ、RAMレーシング製のホンダ・シビックSTC2000はマニュエル&サンティアゴのマロ兄弟とファン-アンヘル・ロッシの3名がステアリングを握った。
明けたテスト2日目にはシボレーYPFチームに所属する2016年王者のアグスティン・カナピノと、シトロエンから移籍しホンダ勢最後のレギュラーシートを射止めたホセ-マニュエル・ウルセラが合流。セッション終盤には全チームが合同でスタート練習から数周の模擬レースまでこなすなど、開幕戦の舞台で充実した内容のテストを消化した。
このテストを終えた直後には2019年シーズンのSTC2000暫定カレンダーも発表され、開幕戦はこのコルドバ、オスカー・カバレンを舞台に4月6〜7日に開幕。
今季唯一の初開催サーキットとなるのは5月18~19日の第3戦、サン・フアン州アルバルドン近郊にあるビリクムサーキットで、2018年に完成した新設トラックはすでにSBKスーパーバイク・ワールドチャンピオンシップの開催実績を持っている。2019年もシリーズは全12戦の予定だが、現時点で5ラウンドの開催地は未定のままとなっている。
2019年アルゼンチン『Super TC2000』シリーズカレンダー
ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 4月6-7日 コルドバ/オスカー・カバレン
Rd.2 4月27-28日 リオ・ネグロ/ジェネラル・ロカ
Rd.3 5月18-19日 アルバルドン/ビリクム
Rd.4 6月8-9日 サンタフェ/ロザリオ
Rd.5 6月29-30日 TBA
Rd.6 7月20-21日 TBA
Rd.7 8月17-18日 ブエノスアイレス/サン・ニコラス
Rd.8 9月14-15日 サンタフェ/市街地コース
Rd.9 10月5-6日 TBA
Rd.10 11月9-10日 ブエノスアイレス/ブエノスアイレス200km
Rd.11 12月7-8日 TBA
Rd.12 12月14-15日 TBA