読書観知り広い視野を 「理論発掘ゼミ」

自分にとって読書とは何か考えるゼミ形式のイベント「オレ(私)の読書理論!発掘ゼミナール」=長崎市古川町、HafH

 若者の読書離れが進む中、本を読むことの意味について考えるゼミ形式のイベント「オレ(私)の読書理論!発掘ゼミナール」が長崎市内であった。参加者は提示された「本(読書)は必要か」という問いに対する答えを出し合い、読書観について考えを深めた。
 企画したのは、小学校の教員を目指す長崎大大学院教育学研究科の山口大樹さん(24)。読書の必要性は分かっているが「読む気が起きない自分が教師になっていいのか」という危機感が発端となった。多くの人の読書観を知って視野を広げることで、子どもたちに寄り添った読書教育ができるようになれば、と考えたという。
 3月28日にあったイベントでは、山口さんのほかに長崎大の学生4人と、精道三川台小・中高の廣田悠二校長(60)が参加。NPO法人「読書普及協会」読書推進局長で「本のソムリエ」として市内で活動する井手良平さん(35)がコーディネーターを務めた。
 参加者は「生命維持には必要ないが、人生を豊かにするためには必要」「自分が歩まなかった人生を追体験できる」などと発言。印象に残っている本を持ち寄り、読んだきっかけや、手に取った理由を伝え合った。
 山口さんは「読書が好きな人の価値観を知ることができて良かった。継続して開き、子どもの頃に読書が嫌いだった人の話も聞きたい」と話した。次回は5月開催予定。

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