観光客向けホテルを関東、中部などで運営していた(株)I.Aホテルズが民事再生が棄却され、破産移行へ

 (株)I.Aホテルズ(TSR企業コード:014931290、法人番号:2180301028002、設立2015(平成27)年5月、豊橋市札木町66-1、田中豊人社長)は3月27日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。4月2日棄却され、同日、保全管理命令を受けた。申請代理人は小山三代治弁護士(三吉法律事務所、中央区日本橋蛎殻町1-22-1、電話03-3666-3661)。保全管理人には田川淳一弁護士(功記総合法律事務所、中央区築地1-10-7、電話03-6226-0632)が選任された。
 負債総額は債権者182名に対し約12億2300万円。

 浅草などで雑貨店、ホテルを運営する(株)わけあり本舗(TSR企業コード:298017385、法人番号:5010501029755、台東区)の関連会社。愛知、静岡、山梨、茨城などで観光客向けのホテルを運営していた。2017年4月期に売上高約5億円をあげ、その後もインバウンド需要による回転率の増加と、積極的な出店により2018年4月期には売上高13億994万円まで増加した。
 しかし、グループの旅行会社(株)日本の旅エンジョイ(TSR企業コード:022916849、法人番号: 2010501040228、台東区、2019年2月破産開始決定)が海外企業からの売掛金の回収難により資金繰りが悪化し、当社が貸し付けていた約4500万円が返済不能となる事態が発生。
 さらに、2018年9月の台風により、外国人客の宿泊予約が半数以上キャンセルとなるなど、経営が急激に悪化した。リース料やグループ会社からの借入負担も大きく、同年12月にはホテルを巡るトラブルも発生していた。
 こうしたなか、わけあり本舗と同時に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していた。
 なお、当社の運営するホテル事業は、当面営業を継続し「事業譲渡の可能性を探る」(関係者)としている。

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