vol.25 「実は振り幅の大きい横浜のディープさ」

こんにちは、今野亜美です。

皆さま「横浜」と聞いてどういう印象を抱くでしょうか。みなとみらい、赤レンガ倉庫、中華街…etc。観光やデートでの定番スポットも多く、「お高いイメージ」で見られることもしばしば。それも確かに正解。でも、この地で生まれ育った人間としては少々違和感。だって…ディープさ、凄いよ…?

人伝ての情報を参考に横浜散策に勤しむ日々。向かったのは「寿町」。労働者の方が多く、独特な空気のあるエリア。決して「オススメ」というわけではありません。お昼過ぎ、大通り沿いに発見したのが立ち飲みの「かのや商店」さん。外観の写真を、とカメラを向けると、丁度やって来たおじちゃん2人組。「お〜い、撮ってくれ〜」とピースサイン。撮る。

店内にいらっしゃったのは数名の常連さんと美人な女将さん。先ほどのピースサインのおじちゃんたちの隣にお邪魔させていただくと、「美味いよ!」と“もつ”を注文してくださり、ビールと共にご相伴に預かりました。

店内のテレビに映るのはニュースと競艇の2画面。これを皆で眺めながらチビチビ。すぐ近くに場外発売所があるため、こうして競艇好きが集まるのだとか。「これが終わればけっこう戻ってくるはず」。そう言ってポケットから出てくる何枚もの舟券に「戻ってこねぇよ!」と間髪入れず、仲間のツッコミ。「いつも勝って終わるんですか?」と聞いてみると、「う〜ん、気持ちの問題?」。朗らか。「しっかりした奥さんがいて幸せ者だよな。家計は火の車だけど」なんておじちゃんたちの笑いの絶えない会話を聞きつつ、追加で注文した「厚切りベーコン」をつまむ。

思った以上に長居してしまった。「では、そろそろ…」。帰る準備をする私に、お土産の一言。「あ、ギャンブル好きな男はやめたほうがいいよ!」

駅に向かう。数歩歩けば、視線の先にランドマークタワーと観覧車。いや、振り幅。さまざまな顔があるぶん、皆にとっての居場所がある。「横浜」って面白い。だから好き。

今野亜美 Imano Ami

2014年、アイドルグループ『清 竜人25』のメンバー「清 亜美」として活動開始。

2017年6月、幕張メッセイベントホールで行なわれた『ラスト♡コンサート』をもってグループは解散。

同年6月19日、「今野亜美(いまのあみ)」としてソロ活動を開始。

大のお酒好きで、アイドル時代から発信している1,000円で居酒屋を旅するブログが話題になっている。

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