大阪は府知事・市長の「ダブルクロス選」だけじゃない。「都構想」を左右する府議選・市議選の行方

4月7日投開票の統一地方選挙。大阪では大阪府知事と大阪市長の「ダブルクロス選挙」に目が奪われがちですが、同時に行われる大阪府議選大阪市議選で「大阪維新の会」(以下「維新」)の候補が単独で過半数を取れるか、自民党(以下「自民」)・公明党(以下「公明」)などの勢力にとってはそれを阻止できるかが「大阪都構想」の住民投票実施には一つのポイントです。大阪府議会の定数88に対して維新候補者は55人(自民38人、公明15人)。大阪市議会の定数83に対して維新候補者は43人(自民21人、公明19人)。過半数ラインは府議会で45議席、市議会で42議席となります。

大阪市議選は自民・公明などの反維新が維新の過半数阻止も

大阪市の24行政区の全選挙区に立てた維新候補者のうち、1名以上落選すると過半数を下回ることになる大阪市議選の方から見てみます。2015年の大阪都構想の「住民投票」で賛成派が多かった区は11、反対派が13区。今回、反対派の多かった住吉区が無投票となり、維新は2議席得ています。

注目の維新と公明の対決は、公明新人が維新の現職のいる此花区で立候補。逆に公明現職のいる西淀川区では維新新人が立っています。また「住民投票」で大阪環状線より北東に位置する行政区で唯一維新が敗れた旭区には東淀川区の現職を選挙区替えさせて擁立しています。

反維新が優勢なのは、政務活動費問題で一度は離党した現職を公認した阿倍野区、定数6に対して維新が3人擁立、自民と公明がそれぞれ2人擁立、立憲民主党(以下「立憲」)と共産党(以下「共産」)が1人ずつ擁立している平野区などです。また、鶴見区東成区などで維新の馴染みがない区域に立つ新人候補も厳しい情勢とみられています。

維新の改選前の議席は34で、うち30人が再選に挑んでいますが、全員が再選されても新人で2人落選者が出ると過半数に届かないため苦しい戦いといえるでしょう。市議選に21人擁立の自民や19人擁立の公明は、こうした選挙区で議席を積み上げ、維新の過半数超え阻止を狙います。

大阪府議選は維新が過半数を確保しやすい?!

改選前に40議席を有していた大阪府議選の方は、大阪市議選に比べると過半数確保のハードルは低いと想定されます。すでに、無投票当選となった8選挙区で維新は7議席を確保。選挙となっている府内1人区の28選挙区すべてが維新対反維新の構図になっていますが、反維新の現市長の政治資金問題が注目された堺市などで維新は勢いがあるとみられています。

他に注目の選挙区は高槻市および三島郡選挙区で定数4に対して維新、公明、共産の現職に維新、自民、立憲の新人の6人が立候補していますが、維新は衆議院議員を5期務めた新人を立て、辻元清美衆議院議員の地元となる立憲の女性候補などを相手に2議席確保を目論んでいます。この選挙区では公明の府本部幹部がどのような戦いを見せるかという点も目が離せません。

一方の自民は府議選に擁立した公認候補者38人のうち半分の19人が新人です。5期目に挑む現職がいる東大阪市選挙区で自民は今回新人も立て、複数議席の獲得を目指しています。府議選の1人区のうち、維新と自民の一騎打ちの構図となっている17選挙区の行方も注目です。

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