ユーモラスに豊作豊漁祈願 春の大祭「とんばんさん」

琴平神社の境内を出発する、はさみ箱の一行=西海市大瀬戸町

 長崎県西海市大瀬戸町にある琴平神社(浦山厳志郎総代)の春の大祭「とんばんさん」が6日、始まった。顔に野菜などを描いた一団が、見物客の笑いを誘いながら豊作豊漁を祈願した。7日まで。

 神社がある高台には江戸時代、異国船を監視する大村藩の遠見番所があった。地元では神社を「とんばんさん」の愛称で呼んでいる。6日は「お下り」があり、神体を載せたみこしと一行約200人が瀬戸港のお旅所まで練り歩いた。

 行列の先頭を行く獅子舞が沿道の子どもの頭にかみつくと、悲鳴や笑いが起きた。着物や法被姿の女性たちが道踊りを披露。大名行列の従者を模したはさみ箱を担いだ子どもや大人の道化役の計20人は、豊作を願って顔にキュウリやナスなどの野菜を描いた。「お嫁欲しけりゃ、琴平さんに参いらんせ、お礼参りは二人連れ」などと口上を述べながら、千鳥足を思わせるしぐさで見物客を沸かせた。

 7日は午後1時から「お上り」。豊漁を祈り顔にタコやタイなどの魚介類を描いて踊る。

豊作を願い、トマトやカボチャ、ナスなどの野菜を顔に描いた子どもたち
子どもにかぶりつこうとする獅子舞

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