選抜最多56勝&5回の優勝を成し遂げた東邦 チームを支えた歴代OBを振り返る

選抜で5度目の優勝を果たした東邦の主なOBを振り返る

多くの人材をプロへ輩出している東邦

 センバツ高校野球は、東邦(愛知)が選抜最多の56勝、5回目の優勝で幕を閉じた。東邦は1934年に甲子園に初出場した名門だが、春の大会に非常に強いことで知られている。平成最初と最後の春優勝を飾った強豪校の歴代のプロ野球選手たちを振り返ってみる。

○戦前()は実働と所属チーム

日比野武 (1939-1959/阪急-西日本-西鉄)捕手
1530試4419打1048安56本506点19盗 率.237

岡田福吉 (1940-1943/黒鷲-大和)内野手
154試578打112安1本40点35盗 率.194

村上一治 (1941-1955/南海)一塁手
225試494打102安4本67点11盗 率.206

安井鍵太郎 (1941-1948/南海-近畿-阪急)内野手
218試623打134安0本39点6盗 率.215

木下貞一 (1941-1954/阪神-名古屋-中日)内野手
201試445打104安1本39点10盗 率.234

猪子利男 (1941-1944/南海-近畿)内野外野
230試786打147安2本34点35盗 率.187

安居玉一 (1941-1957/阪神-大阪-大洋-国鉄-近鉄-大映)内野手
1392試4854打1298安70本569点116盗 率.267

前川正義 (1942/阪神)内野手
5試1打0安0本0点0盗 率.000

尾崎律男 (1942/大洋)内野手
10試2打0安0本0点0盗 率.000

池端忠夫 (1946/阪神)捕手
18試46打6安1本5点0盗 率.130

 戦前、3回の全国優勝を果たした東邦商からは、多くの選手がプロ入りしている。戦前は強力打線で知られただけに、全員が野手だ。日比野は戦前、1リーグ時代は阪急、戦後は西鉄ライオンズで活躍。大投手稲尾和久の球を受けた。安居玉一は旧姓玉置。1941年選抜の優勝投手。プロでは野手に転じ、戦後、阪神のダイナマイト打線で活躍。

○戦後 昭和

片岡博国 (1950-1954/毎日)捕手・一塁手
243試393打94安6本68点2盗 率.239

北角富士雄 (1966-1971/中日-阪急)投手
86試25打4安0本0点0盗 率.160

山倉和博 (1978-1990/巨人)捕手
1262試3608打832安113本426点27盗 率.231

水谷啓昭 (1979-1983/中日)投手
181登7勝5敗5S 200.2回 率4.40

山田和利 (1984-1996/中日-広島-中日)内野外野
366試865打227安22本102点21盗 率.262

山田勝彦 (1988-2005/阪神-日本ハム)捕手
795試1753打360安21本130点3盗 率.205

安藤学 (1993-1997/ロッテ)外野手
36試44打10安0本2点1盗 率.227

 戦後では巨人の正捕手だった山倉和博が有名だ。早稲田大学を経て1977年ドラフト1位。1987年にはMVPに輝いている。山田勝彦は1987年ドラフト3位で阪神に入団。1990年代に正捕手となった。

平成最初の優勝を飾った年のエース山田喜久夫は中日、広島で活躍

○平成以降

山田喜久夫 (1990-1999/中日-広島)投手
222登6勝8敗0S 263回 率3.76

山田貴志 (1997-1998/中日)投手
6登0勝0敗0S 9.2回 率8.38

岡本浩二 (2000-2003/阪神)投手
1登0勝0敗0S 1回 率9.00

朝倉健太 (2000-2015/中日)投手
236登65勝70敗1S 1139.2回 率4.11

湊川誠隆 (2003-2004/中日)内野手
(1軍出場なし)

木下達生 (2006-2012/日本ハム-中日-ヤクルト)投手
8登2勝2敗0S 39.1回 率3.43

水野祐希 (2006-2013/ヤクルト)捕手
(1軍出場なし)

岩田慎司 (2009-2016/中日)投手
49登9勝15敗0S 220回 率3.72

石川貢 (2010-2015/西武)外野手
26試42打5安0本1点3盗 率.119

関根大気 (2014-/DeNA)外野手
186試298打65安1本21点15盗 率.218

丸山泰資 (2017-/中日)投手
8登0勝0敗0S 12回 率8.25

藤嶋健人 (2017-/中日)投手
19登3勝1敗0S 71.1回 率3.66

 平成に入ると投手のほうが多くなる。山田喜久夫は平成最初の選抜の優勝投手。1989年ドラフト5位で中日に入団。「キク山田」「キク」の登録名で中継ぎ投手として活躍した。朝倉健太は1999年ドラフト1位で中日に入団。先発投手として4度の2桁勝利。安定感のある投球で中日の黄金期に活躍した。現役ではDeNAの関根大気外野手、中日の丸山泰資投手と藤嶋健人投手がいる。

 今年の決勝で2本塁打、大会3本塁打のエース、石川昂弥も今季ドラフトの有力候補だ。平成最後の甲子園優勝投手の今後の展開に注目したい。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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