好きなことを、仕事としてできることに感謝 植松のりえさん /「茶菴」トップシェフパティシエ 

植松のりえさん 「エコール辻東京」卒業後、沼津東急ホテルでペイストリーシェフを務め、2004年に来米。17年に「茶菴(あん)」トップシェフパティシエに就任。https://www.chaanteahouse.com/

パティシエの道に進んだ理由は?

小さいころから料理が好きだったことに加えて、海外に憧れがあったので、卒業後にフランスに行けるプランのある料理学校「エコール辻東京」のフランス料理科に進みました。

でも結局フランスには行かず、卒業後は地元の静岡に帰り、ペイストリーに興味があったので東急ホテルに就職しました。幸運にも、ホテル内のレストランのデザートや結婚式場のプレート用ケーキ、ウエディングケーキなどの製作を全て任せてもらったので、そこで作り方を全部習得しました。

ニューヨークに来たのはなぜですか?

2001年に、ニューヨークに住んでいた友達を訪ねた際にすっかりはまってしまい、絶対ニューヨークに行こうと決めました。昼夜問わず働いて貯金をして、3年後に移住しました。学生からスタートして、卒業後はカフェベーカリー「メゾンカイザー」をはじめ、いろいろな店で働いて腕を磨きました。

日本とニューヨークの働き方の違いは?

ニューヨークは女の子がたくましいです。この仕事は肉体労働ですが、特大サイズのミキサーや重たいドウなどもガッと持って、男性に負けていませんね。

八木共子さん 「T.I.C.レストラングループ」和菓子エキスパート、研究開発VP のりえさんは、私が探し続けていた理想の「人財」でした。トップシェフパティシエとして素晴らしく有望で、人柄も優しく、いつも笑顔がとってもすてきな女性。スタッフや生徒さんたちの人気者です。

「茶菴(あん)」入社のきっかけは?

オープン当初から何度か来ていて、好きなお店でした。タイミングよく、16年12月に、(「茶菴」を運営する)T・I・Cレストラングループの八木共子さんの共通の友達の紹介で、同店に迎えられました。以前から日本の食材を取り入れたペイストリーを作りたかったので、ラッキーでした。

茶菴3階のイベントスペースで、洋菓子教室を定期的に開催。洋菓子に独自のアレンジを加えたクラスで、毎回キャンセル待ちが出る

現在の仕事の内容は?

メニュー作り含め、責任者として全体の管理をしています。作業スタッフ全員が作れるメニュー考案など、常にクオリティーを上げる努力をしています。また一般向けに、「日本人が好きな洋菓子」がテーマの教室も主催しています。

一番大変なことは?

人種も常識もみんな違うので、そこをまとめるのが一番難しいです。特に、未経験で「茶菴」に入って長く働いてきた人達と、新しく入った経験者の間に入っていくのが大変ですね。

今春にオープン予定の「茶菴BONBON」で使われるカップについて、八木共子さんと打ち合わせ

一番うれしい瞬間は?

あるとき、お店のキッチンで、1人でクッキーを試作していたときに、「もし今、何でも好きなことができるとしたら何をしているか」と考えたことがあるんですが、「やっぱり私はこのクッキーを作っているだろうな」と思いました。趣味として好きでやることを、私は仕事としてやっていて、本当にありがたいです。

今後の目標や夢は?

今春にテークアウト専門店「茶菴BONBON」がオープン予定なので準備に向けて力を入れています。テークアウトの店はずっとやりたかったので、夢がかないました。

その店をフランチャイズにして、「茶菴」のお菓子を世界中に羽ばたかせることが、次の夢です!

毎年恒例の女子組新年会。同社CCOの八木さくらさんも登場。 「楽しくて温かい、すてきな会社です」と植松さん

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