「縦走」ってアルプスのことだけじゃないの?
連なった山と山をつなげて歩くスタイル「縦走登山」。大きなザックを背負い、何日もかけて山々を渡り歩く“上級者向けのスタイル”と敬遠してませんか?
北アルプスなどに限らなくても、山と山を繋げばもうそれは立派な縦走なんです!今回は関東の人気エリア「奥多摩」で縦走できるコースをご紹介します。
縦走登山の魅力とは
最大の魅力は何と言っても複数の山頂を踏めること!山と山をつなぐ「稜線」を歩き、壮大な景色を眺めながら次の山を目指すのは最高の楽しみです!
縦走初心者が注意したいことは?
縦走は距離が長くなる傾向にあるため、長時間重い装備を背負って行動できる体力も必要。その他にも、変わりやすい山の天気に対応できる知識や技術も大切です。
奥多摩縦走からチャレンジしてみよう
ここで「軽めの日帰り登山しかしたことないけど、縦走登山は誰でも挑戦できる?」と疑問が浮かびますよね。そんな、“これから縦走登山を挑戦したい方”におすすめなのが奥多摩。
大小さまざまな山が連なっているので難易度が比較的低いコースもあって入門に最適。電車やバスなど公共機関が充実しているのでアクセスもしやすいんです。
GPSアプリやココヘリも忘れずに!
登山時には必ずGPSアプリなど地図の準備はしておきましょう。また、もしもの遭難時に、登山者を早く見つけ出すことに特化したサービス「ココヘリ」も登山の新常識となりつつありますよ!
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【日帰り】陣馬山~高尾山
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藤野駅(30分)→陣馬登山口(100分)→陣馬山(30分)→奈良子峠(10分)→明王峠(10分)→底沢峠(80分)→景信山(10分)→小仏コース分岐(15分)→景信山(30分)→小仏峠(25分)→城山(60分)→高尾山(15分)→薬王院(29分)→霞台園地
奥多摩エリアで人気の高い「陣馬山」から「高尾山」までをつなげるコース。なだらかで歩きやすい区間やアップダウンの繰り返しなど、コースの面白さも抜群。道中にはトイレや休憩用ベンチ、エスケープルートの案内もあるので、体力に自信がない方でも安心です。登山道は心地良い木漏れ日の差し込む杉林や眺望の良い尾根道が多く、時折り広がる眼下の景色や壮大な富士山を楽しめますよ!
コースの見どころ
●陣馬山 白馬の像
広々とした陣馬山の山頂には、京王電鉄が昭和44年に建てた「白馬の像」が。観光スポットとなった陣馬山には、多くの登山者が白馬の像に会いに訪れます。
●高尾山 薬王院
高尾山の中腹にある薬王院は、天狗を信仰している寺院。水行の体験修行や数々の文化財の見学、予約制で精進料理をいただくことも可能。
●高尾山からの眺望
「世界一登山客の多い山」と言われている高尾山。標高599mと低い山ながらも、好天の日は神奈川県の江の島や栃木県の日光連山まで望むことができます。
【1泊2日】雲取山(鴨沢~三峰神社縦走)
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【1日目のルート】5時間40分/約10km
三峯神社(190分)→白岩小屋(100分)→雲取山荘(30分)→雲取山(20分)→雲取山荘
【2日目のルート】3時間50分/12km
雲取山荘(40分)→小雲取山(35分)→ブナ坂(55分)→堂所(80分)→小袖乗越(20分)→鴨沢
秩父の有名なパワースポット「三峯神社」から日本百名山の「雲取山」抜けて奥多摩に抜ける縦走路。東京都の最高峰は目指し甲斐もあり、雲取山荘に一泊することで山中から星を眺めることも楽しめますよ!
コースの見どころ
●秩父宮両殿下御尊影レリーフ
霧藻ヶ峰休憩舎のテラスを下りると、秩父宮両殿下のレリーフがあります。また雲取山荘から少し上には田部重治氏、さらに富田治三郎氏のレリーフも。この地が親しまれた奥深さを感じられます。
●雲取山への石尾根
石尾根は奥多摩駅から雲取山に伸びる稜線で、このルートでは、その一部区間の七ツ石山~雲取山を通過します。広々とした石尾根はカラマツ・ブナ・カエデなどが植生し、季節により表情を変えるのが魅力。
●雲取山からの富士山
雲取山山頂から眺める富士山はまた格別!雲取山荘で宿泊した時は、ぜひ朝焼けの富士山も見ておきたい注目ポイントです。
【日帰り】御岳山・大岳山(武蔵五日市駅~奥多摩駅)
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武蔵五日市駅(60分)→琴平神社(160分)→日の出山(40分)→御岳山(55分)→鍋割山分岐(40分)→大岳神社(15分)→大岳山(80分)→鋸山(100分)→奥多摩駅
あきる野市方面から「大岳山」や「御岳山」を繋ぐ縦走路。アップダウンや鎖場、急登もあるので中級者向けではありますが、静かな山行を楽しめるのは大きな魅力。奥多摩の雄大な自然を感じることができるコースです。
コースの見どころ
●御岳山商店街
御岳山の山頂があるのは武蔵御嶽神社。その神社の参道にあるのが「御岳山商店街」です。ノスタルジックな空間に、土産や食事処が並んでいます。人情味のある街並みに、ふと足を止めて休憩するのもおすすめです。
●ロックガーデン(岩石園)
ロックガーデンは昭和10年に遊歩道として整備され、途中には休憩所やトイレが設置されています。苔に覆われた岩と清らかな水の音。美しい緑の景色に、癒しを求めて訪れる人も多い人気スポットです。
●大岳山からの眺望
御前山・三頭山と共に奥多摩三山の1つである大岳山は標高1,266m。御岳山からのアップダウンや急登を登りきったあとに開ける大岳山からは、奥多摩や丹沢方面、富士山など様々な山が、疲れを忘れさせてくれます。
【日帰り】川苔山~棒ノ折山
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川乗橋(90分)→百尋ノ滝(100分)→川苔山(10分)→曲ヶ谷北峰(40分)→踊平(30分)→日向沢ノ峰(90分)→長尾ノ丸(40分)→槇ノ尾山(20分)→棒ノ折山(10分)→権次入峠(15分)→岩茸石(60分)→白谷橋(20分)→さわらびの湯バス停
奥多摩では1,2位を争う人気の「川苔山」を経由して「棒ノ折山」を抜ける縦走路。このコース最大の魅力は、山頂からの景色だけでなく、道中の景色が豊かなこと!沢登り気分を楽しみたい方におすすめです。
コースの見どころ
●百尋ノ滝
川乗橋から約1時間30分の所にある「百尋ノ滝」。紹介したルートにはいくつもの小さな滝を見ることができますが、奥多摩の名所でもあるのが百尋ノ滝です。落差約40mの大迫力の滝は、マイナスイオンたっぷり!
●川苔山山頂から雲取山などの眺望
川苔山山頂は広々として、休憩もゆっくり摂れるスペースがあります。眺望は西側が開けて、雲取山方面・天祖山、芋ノ木ドッケが良く見渡せます。
●棒ノ折山のゴルジュ
「ゴルジュ」とは、切り立った岩壁に挟まれた峡谷のことです。ゴルジュは沢登りのルートの一種でもありますが、棒ノ折山のゴルジュは、関東でも数少ない登山服でも楽しめる場所。大自然の迫力を間近で感じられますよ。
コース周辺の施設情報
雲取山荘
1999年に新築した木の温かさを感じる造り。広い前庭にはベンチとテーブル、また夏用・冬用水洗トイレがあり、恩義を感じる設備です。東京の夜景や日の出を見ながら、ゆったり過ごせます。
・電話番号 0494-23-3338
・営業期間 通年営業
・定員 200名
・料金 宿泊(1泊2食付7,800円、素泊まり5,300円、幕営料500円/1人など)
東雲山荘
1935年に立てられた東雲山荘は、手作りのテーブルや椅子や薪ストーブなどレトロ感に溢れ、タイムスリップしたかのような懐かしい空間。食事等はありませんが、薪や炭を購入すれば持ち込み食材の調理は可能です。
・電話番号 042-597-0501
・営業期間 4月下旬~12月中旬
・定員 19名
・料金 素泊まりのみ(大人3,000円、小学生2,000円、未就学児無料)※利用の際は要予約
さわらびの湯
名栗湖の手前で入間川沿いにある日帰り温泉施設です。豊かな自然を感じられる開放的な館内。名栗温泉で登山の疲労を癒したあとは、ラウンジやホール、大広間でゆっくり休めます。
・電話番号 042-979-1212
・営業時間 10:00~18:00
・定休日 毎月第一水曜日定休
・料金 3時間(一般800円、小・中学生400円)
奥多摩エリアは縦走登山の初挑戦にうってつけ!
アクセスしやすく多くの山が連なる奥多摩エリアは、縦走登山初心者のステップアップにぴったり。北アルプスより標高が低くても、開放的な稜線歩きができます!バリエーション豊富な奥多摩エリアで、縦走登山の第一歩を踏み出しましょう。
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに! ・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。