全国国民年金基金 長崎支部が発足 運営安定図り、利便性向上

 全国国民年金基金長崎支部が今月発足した。これまで都道府県単位や職業ごとに分かれていた組織を一元化し、運営基盤の安定を図る。県境を越えた転居時の届け出を簡素化するなど、サービス向上を進める。
 国民年金基金は国民年金の上乗せ部分で、自営業者らが任意で加入する。従来は47都道府県ごとの「地域型」と25職業別の「職能型」があり、加入者はどちらか一方を選んでいた。
 今回、歯科医師、司法書士、弁護士の3職能型基金を除いて1日付で合併した。これに伴い、これまでの長崎県国民年金基金が全国国民年金基金の本県の支部になった。
 これまでは都道府県を越えて住所を移したり、職業を変更したりするたびに脱退・加入手続きが必要だったが、住所変更を届けるだけで済むようにした。長崎支部長に就いた荒木信雄氏は「業務を効率化した分、加入勧奨や相談態勢に力を入れる」としている。契約内容や支部の所在地(長崎市桜町)、電話番号(095.828.3324)に変更はない。
 同支部によると2月現在、県内で支給対象の延べ加入員数は約1万人。給付額は年間約9億9千万円。うち掛け金を支払っている現存加入員数は約2400人で、10年前と比べ千人余り減少しており、今回の規模拡大で事業運営基盤の安定につなげる。

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