「大玉提供したい」 ナシの授粉作業最盛期 伊勢原

青空の下で進められるナシの授粉作業=伊勢原市伊勢原4丁目

 神奈川県内有数のナシの産地、伊勢原市で、農家による人工授粉の作業が最盛期を迎えている。9日は青空の下で白い花が咲き誇る中、8月ごろの収穫に向けて生産農家が機械を使って作業を進めた。

 作業は先端に付けた鳥の羽根に花粉を噴射する機械「花粉交配機」を使って行われ、この日も農家が満開の花のめしべ一つ一つに花粉を吹き掛けていった。

 ナシは虫が花粉を運ぶことによって受粉する虫媒花。かつてはハチやチョウが花粉を運んだこともあったが、環境の変化などにより、現在は農家が綿を使って手作業で授粉させるか、機械による作業が行われている。

 幸水や豊水などを育てているJAいせはら果樹部会委員長の和田新一さん(56)は「手作業よりは効率が良くなった。今年も大玉で、質の良いナシを提供したい」と話していた。

 市農業振興課によると、果樹部会員の市内のナシ畑は約14ヘクタールで、栽培農家は54戸となっている。

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