JR西日本社長会見、レーダー雨量の活用や5G実証実験結果など発表

JR西日本は4月11日、社長会見の詳細を発表しました。会見では福知山線列車事故に触れ、3月の営業・輸送状況、気象災害対応システム運用開始とレーダー雨量を活用した運転規制の検討、第5世代移動通信システム(5G)実証実験についてそれぞれ詳細を発表しました。

まとめ

・福知山線列車事故の追悼慰霊式は「祈りの社」で開催。
・3月の運輸取扱収入は前年を上回る104.2%。3月の利用状況はいずれも好調。
・JR京都線、JR神戸線、大阪環状線などに気象災害システムを導入(3月25日~)。レーダー雨量の導入を検討。
・総務省の実施する5G実証実験に協力、120km/hを超える速度でも5G通信が可能だと判明したので活用方法を今後検討。

福知山線列車事故追悼慰霊式

2005年4月25日に発生した福知山線列車事故からそろそろ14年が経とうとしています。今年度は事故現場の整備が整ったことから、「祈りの社」で追悼慰霊式を行います。

営業・輸送概略

3月の取り扱い収入は収入計で前年を上回る104.2%。春分の日から同週末にかけての利用が好調に推移しています。また利用状況に関しても同様に、山陽新幹線と在来線特急は102%、アーバンネットワークが105%と好調。北陸新幹線については横ばいになりましたが、おおむね前年を上回っています。

気象災害システムとレーダー雨量を活用した運転規制

ヒューマンエラーのリスク低減に寄与する気象災害対応システムを導入。JR京都線、JR神戸線、大阪環状線などで2019年3月25日から運用開始となりました。保線区や指令所などのシステムも一元化することで情報伝達・収集や確認作業を省力化します。

また、JR西日本はレーダー雨量を活用した降雨観測の実施を検討しています。レーダー雨量とは、気象庁や国土交通省が地上に設置したレーダーから発射された電波により観測された面的な雨量の分布情報のことをさし、これにより1キロメートルごとの降雨状況を細かく観測、運転規制をタイムリーに行うことができるようになります。こちらの情報収集と課題の洗い出しは2019年中に行い、気象災害対応システムとの連携をめざすとのこと。

第5世代通信システム(5G)実証実験

2020年の実用化を目指し、総務省や携帯電話会社が中心となって整備を進めている第5世代移動通信システム(5G)について、JR西日本は総務省が実施する実証実験に協力しました。

試験結果として、鉄道特有の環境で120km/hを超える高速でも5G通信が可能であることが分かりました。JR西日本はこれを受け、鉄道沿線の精緻な情報収集への利用など、様々な課題解決に向けて将来的な活用方法の検討を進めています。

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