F1イタリアGP開催地モンツァ、2020年以降の開催に向けて現在もリバティと交渉中

 モンツァは将来のF1開催について、今もリバティ・メディアと厳しく複雑な交渉を行なっている最中だ。象徴的なサーキットであるモンツァにおける現在のF1との契約は、2019年のレース後に終了することになっている。

 モンツァは、2020年以降はF1と現在よりも有利な契約を締結することを望んでいる。現在の契約では、2019年のレースを開催するのに2000万ユーロ(約25億2100万円)の支払いが必要となるからだ。

 開催コストは、ロンバルディア州から今年モンツァに付与される補助金でのみ支払いが可能と見られている。

 イタリアのACI(イタリア自動車クラブ)はまた、組織とイタリアGP開催の運営コストを支えるために、政府からの1000万ユーロ(約12億6100万円)の補助金を頼りにしている。補助金申請はイタリア上院を通過したものの、まだ承認は下りていない。

 ACI会長のアンジェロ・スティッキ・ダミアーニは、リバティ・メディアとの交渉は続いているが、スピードの殿堂であるモンツァでのF1開催を存続させるために、契約内容の変更が求められていると述べた。

「ロンバルディア州のおかげで、我々は費用を賄うことができた。契約は2019年に終了するため、今後の数年に向けた契約更新を行なわなければならない」とスティッキ・ダミアーニは、フィレンツェで開催中のExpoMoveで語った。

「リバティ・メディアとは非常に厳しく複雑な、難しい交渉が行なわれている。彼らは負担の重い持続不可能な契約を引き継いでいるのだ」

「時代が変わったため、多くのことを変更する必要がある。会場の運営と受け入れも、時代に合わせた形にしなければならない。また主催者は、F1世界選手権で最も重要なラウンドのひとつとして、イタリアGPをモンツァで存続させることに集中する必要がある」

 施設の改修の必要性が差し迫っているいることも、モンツァの財政状況を複雑にしている。

「何度か述べてきていることだが、モンツァ・サーキットには大規模な改修工事が必要だ。現在そのコストは約1億ユーロ(約126億1200万円)と見積もられており、そのうち6000万ユーロ(約75億6800万円)が早急に必要とされている」

 由緒あるサーキットであるモンツァは、3年のうちに100周年を祝うことになるが、将来も存続するためには政府の支援が必要だ。

「政府からの資金援助があれば、我々が望むすべてのことを行なうための決定打となるだろう」とスティッキ・ダミアーニは語った。

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