「困ったら助け合いたい」 お年寄り助けた女児2人を表彰

表彰式後、市長と雑談する田中さん(中央)と工藤さん(右)=3月28日、逗子市役所

 お年寄りに声を掛け、荷物を一緒に運んであげたとして、逗子市立沼間小学校3年の田中夏帆さん(8)と工藤希来里(きらり)さん(8)が市から表彰された。2人は「誰かに喜んでもらえるとうれしい。これからも、困った人がいたら助け合いたい」と笑顔で話した。

 2人は2年生だった昨年10月、一緒に下校している時、重そうな荷物を両手いっぱいに持った高齢の女性を見つけた。

 「大丈夫ですか? 持ちましょうか?」。2人は走って女性に追い付き、声を掛けた。紙袋一つを代わりに持ち、女性の自宅近くまで運んであげた。

 女性が同小にお礼の電話をし、表彰につながった。3月28日に表彰式が市役所で行われ、桐ケ谷覚市長から表彰状が贈られた。

 荷物を運んだ帰り際、女性に「ありがとう」と言われたといい、田中さんは「知らない人に『ありがとう』って言われたのは初めてだった」と振り返り、「手伝ってよかった」と工藤さんと笑い合った。

 2人は4月、3年生に進級。これから頑張りたいことについて、工藤さんは「絵を描くことが好きだから頑張りたい」、田中さんは「鉄棒の逆上がりがまだできないから、できるようになりたい」とそれぞれ話した。

 市は工藤さん、田中さんに加え、同小6年の山本瑠理さんと馬場由衣可さんも表彰した。2人は視覚に障害のある女性に、JR横須賀線東逗子駅から横須賀市内の商業施設まで付き添ったという。

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