経産省、太陽光発電廃棄費用積み立ての実効性確保を制度化

 経済産業省は4月11日、太陽光発電設備の廃棄等費用の確保に関するワーキンググループを開催し、太陽光発電設備の廃棄等にかかる費用を担保する制度の原則や今後の方向性を明らかにした。発電事業者による廃棄等費用の積み立てを担保するための施策として、発電事業者の売電収入から源泉徴収的に積立金を差し引く外部積み立てを進める。例外として長期安定発電の責任・能力を担うことができる事業者については、内部積み立てを承認する。

 次回の検討会では廃棄等費用の確実な積み立てを担保するため、さらに詳細な制度設計検討をすることにした。
 
 現状の課題として、太陽光パネルには鉛、セレン等の有害物質が含まれ、発電終了後に太陽光発電設備が放置・不法投棄された場合、地域環境に深刻な影響を与える可能性があることが挙げられている。FIT法では、調達価格の中で資本費の5%を廃棄等費用として計上することになっているが、2019年1月時点で20kW~50kW未満の太陽光発電設備を取り扱う事業者は全体の83%が積み立てをしていなかった。

 太陽光発電設備の廃棄等費用の積み立てを担保する制度の対象は、2012年のFIT制度開始以降に認定されたすべての10kW以上の太陽光発電設備。2018年4月に廃棄等費用として外部積み立てを義務化し、同年7月から定期報告において積立計画と進捗状況の報告を義務化しているが、積み立ての水準や時期は事業者の判断に委ねられているため、現状に適合しているかは不明。

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