軍事郵便で大麻密輸か 元米海軍兵の男と米海軍兵の妻逮捕

軍事郵便を利用して密輸された乾燥大麻=横浜税関

 米軍人や親族らが利用できる軍事郵便で大麻を密輸したとして、県警は12日までに、大麻取締法違反(営利目的共同輸入)の疑いで、ともに米国籍で元米海軍兵の男(28)と、米海軍兵の妻で自称飲食店従業員の女(21)を再逮捕した。横浜税関が押収した乾燥大麻は計約13.4キロに上り、同税関が扱った軍事郵便での密輸量としては過去最大。大麻は有害成分の濃度が高い花穂の部分ばかりで、末端価格は約6700万円という。県警は米海軍犯罪捜査局と情報を共有し、売却先の特定を進める。

 再逮捕された両容疑者は、ともに「荷物は受け取ったが大麻とは知らなかった」などと容疑を否認している。

 再逮捕容疑は、何者かと共謀して2月28日、営利目的で、段ボール箱に入った乾燥大麻約6.7キロを米国から非公用軍事郵便で輸入した、としている。同税関職員が見つけ、発覚した。日米地位協定は、軍事郵便が非公用の場合に限り、日本側が内容物を検査できると規定している。

 県警薬物銃器対策課によると、郵便物の宛先は、米海軍横須賀基地内にある女の母名義の私書箱だった。県警と税関は、大麻を偽物に入れ替えて泳がせ捜査を実施。荷物は3月20日に持ち出され、女が車で男の家に運んだとみられる。

 県警は同21日、男の自宅を家宅捜索し、スーツケースに入った大麻の偽物を発見。麻薬特例法違反容疑などで同容疑者を現行犯逮捕し、翌22日に女も同容疑で逮捕して捜査していた。

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