茅ケ崎市議選、質問状回答をFBで公開 市民考案11項目

公開質問状と回答を手に「多くの立候補予定者が回答してくれて驚きとうれしさを感じた」と語る藤池さん=茅ケ崎市内

 茅ケ崎市の会社員や主婦らでつくる「未来を考える市民の会」が、同市議選の立候補予定者への公開質問状とその回答を会のフェイスブック(FB)で公開している。質問項目は子育てや教育から、防災、安全保障までさまざま。同会は「政策ビラだけではよく分からない一人一人の考えが見て取れる。投票の判断材料にしてもらいたい」と語る。

 会は2017年10月の衆院選を機に発足。「政治初心者が気軽におしゃべりできる場が欲しい」という思いを共にした30代~60代の女性10人が集まった。この1年半は、議会の傍聴ツアーや市議と語るサロンを企画してきたという。

 今回、公開質問状を提案した会の発起人、藤池香澄さんは「これまでの選挙を振り返ると、政策ビラに知りたいことがあまり書かれていなかった。ならば知りたいことを直接、聞いてみようと思った」と話す。

 今年2月上旬、メンバーで意見を出し合いながら質問内容を考案。身近な話題から国政につながる問題など計11項目を作成した。

 例えば、地元で話題の中学校給食。市は19年秋までに実施手法を決定するとしているが、メンバーの人見知子さんは「できるだけ地産地消で、食の安全性が保たれる手法を検討してもらいたい。候補者がどのように考えているのかも知りたい」と語る。

 同じくメンバーの長田順子さんは「道の駅」整備事業について関心があるという。「市は『ハコモノ』に多額の税金を使ってきた印象がある。本当に市民にとって必要なものなのか、納税者として考えたい」

 他の自治体で進む性的マイノリティーへの包括的施策や、水道法改正に関連する水道事業の公営存続、原子力災害対策などについての質問を加えた。

 2月15日までに出馬表明が確認でき、連絡の取れた31人に質問状を送付。締め切りの3月上旬までに得られた16人分の回答を現在、フェイスブックで公開している。

 藤池さんは「市民作成の公開質問状に多くの立候補予定者が回答してくれたことに、驚きとうれしさがあった。同時に、選挙は私たち有権者が問われていると思った」と語る。

 市議会を傍聴していたときのことだ。傍聴人がほとんどいない中、市議が議場で寝ていたり、意見も出ないまま議案が採決されていたりすることに違和感を覚えたという。

 「私たちの税金がどう使われているのか。市民の代表である議員がどんな議論をして、市全体の政策やルールを決めているのか。有権者である私たち市民が、もっと関心を持たないといけないと思った」

 今回の試みでは、回答以外に自身の考えを詳細に記載してくれる人や、道端で声を掛けてくれるようになった人もいるという。藤池さんは言う。

 「井戸端会議のような感覚で市民が普通に政治や選挙の話ができたらいいな、と思う。公開質問状と回答も、一つの話題として活用してもらえたらうれしい」

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