スーパーGT第1戦:ARTAの福住仁嶺がポール獲得でGT300デビュー戦飾る。ブリヂストンがトップ4独占

 2019年のスーパーGT第1戦岡山のスーパーGT GT300クラス公式予選は、今季デビューの組み合わせとなる福住仁嶺と55号車ARTA NSX GT3が圧巻の走りでコースレコードを更新し、福住がデビュー戦でシリーズ初ポールポジションを獲得した。

 今季初の公式セッションとなった午前の公式練習では、マザーシャシーの埼玉トヨペットGB マークX MCがセッション自己ベストを更新する好調さで最速を記録し、2番手にK-tunes RC F GT3、3番手にエボモデルとなったARTA NSX GT3が続くなど、ブリヂストン勢がトップ3までを独占する結果に。

 4番手はダンロップユーザーのSUBARU BRZ R&D SPORT、5番手はヨコハマタイヤを履くリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rなどが続き、巻き返しを狙う構図となった。

 この日の岡山国際サーキットは午前から正午過ぎまで晴天が続いたものの、公式予選直前に雲が出始め、路面はGT300クラスのQ1開始時刻の14時45分時点で25度と公式練習終了時から、ほぼ横ばいで推移。ドライ路面でノーウエイトでの勢力図を測る最初の舞台が整った。

 今回の予選Q1はシリーズ史上2度目となる組分け方式が採用され、コース全長の短い岡山で、トラフィックによるアタック不発や妨害の可能性を回避する措置が採られている。

■予選Q1/埼玉トヨペットGB マークX、ARTA NSX GT3のBS勢がトップ奪取

 前年の成績で割り振られた奇数A組15台、偶数B組14台がそれぞれ10分間のセッションに挑み上位16台がQ2進出となるなか、Q1A組に登場した各車がウォームアップを経た4周目以降にタイムが更新され、埼玉トヨペットGB マークX MCの吉田広樹が1分25秒702を記録し順当に首位に浮上。

 続く周回でも1分25秒393までタイムを縮めた吉田がQ1Aトップ通過を決め、以下、マネパ ランボルギーニ GT3、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3のトップ3となり、11号車GAINER TANAX GT-R、34号車Modulo KENWOOD NSX GT3、そして一時はタイムボードのトップ掲示となっていたSUBARU BRZの井口卓人が6番手に。

 33号車エヴァRT初号機 X Works GT-Rにタイム更新されヒヤリとしたディフェンディングチャンピオンのLEON PYRAMID AMG、黒澤治樹は8番手にとどまり、ギリギリのところでQ2進出を果たした。

 続いて2018年ランキング偶数組が予選B組として15時3分からコースイン。グッドスマイル 初音ミク AMGの片岡龍也が1コーナーでわずかにコースオフするも、無事に復帰してウォームアップを継続していく。

 最初にトップタイムを計測したのはBMW M6からスイッチしたARTAの高木真一で、4ラップ目に1分25秒447をマーク。続いて計測となった後続も軒並み1分25秒台に入れ、カットラインを超えた9番手まで0.735差というシビアな勝負に。

 各車とも連続で最後のアタックラップに入ると、グッドスマイル 初音ミク AMGが4番手に浮上。しかし上位3台のタイムには届かず、ARTA NSX GT3、GAINER TANAX triple a GT-R、HOPPY 86 MCが最初のタイムでQ2に進出。5番手以下、シンティアム・アップル・ロータス、リアライズ 日産自動車大学校 GT-R、ADVICS マッハ車検 MC86、そして公式練習で好調さを見せたK-tunes RC F GT3がQ1通過最後の1台となった。

■予選Q2/福住が驚速アタック披露。0.016秒差で阪口晴南とのルーキー対決を制す

 GT500クラスのQ1を挟んで迎えた予選Q2は、15時38分からピットレーン1コーナー側に陣取る55号車、34号車のNSX勢を先頭にコースイン。アウトラップから2周のウォームアップを経て、全セクターベストのトップにおどり出たのは、ARTA NSX GT3を操る福住で1分24秒889のレコードタイムを叩き出す。

 そのまま5周目のセクター1でもベストを記録した福住だが、背後からそのタイムを更新して迫ってきたのは、同じくブリヂストンを履くGT3マシンのK-tunes RC F GT3、阪口晴南。しかし最終的には、わずか0.016秒差で逆転トップタイムとはならず惜しくも2番手に。

 一方の福住も連続アタックラップでは88号車マネパ ランボルギーニ GT3をかわしながらの走行で自己ベスト更新とはいかなかったものの、それでも圧巻のコースレコードで阪口との“ルーキー対決”を制した福住が、GT300クラス・デビュー戦ポールポジションを獲得した。

 そして3番手には車重の軽さを武器に連続周回でタイム更新を続けた52号車、脇阪薫一の埼玉トヨペットGB マークXが付け、2018年シリーズ王者の蒲生がさすがの走りで4番手にジャンプアップと、GT3、マザーシャシーが入り乱れてセカンドロウまでをブリヂストン勢が独占する強さを披露。以下、HOPPY 86 MC、ADVICS マッハ車検 MC86のトップ6となっている。

 いよいよ2019年最初の勝負を迎えるスーパーG、第1戦岡山の決勝レースは14日(日)14時30分から、82周で争われる。

GT300クラスポールポジションを獲得したARTA /2019スーパーGT第1戦岡山

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