必ず迷うのがギア比!
リールの購入を検討する際、リールの大きさを表す数字の後に「H」や「XH」、「SH」というアルファベットが付いたものを見かけたことはありませんか?
これらのリールはハイスピードギアと呼ばれる仕様で、近年は注目度が上昇しています。
しかし、ハイギアのメリットとデメリットが、「イマイチよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、ハイギアリールの特性をリールマニアが解説します!
筆者について
佐藤稜真
某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。
中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。
ハイギアが流行している!
ハイギアは近年のリールのトレンドといえ、大手リールメーカーはこぞって投入しています。そして今や、ほとんどの機種にラインナップされるほどです。
さらに、H以上にハイギアなXH(エクストラハイギア)やSH(スーパーハイギア)も登場しています。
そもそも、ハイギアとは?
ハイギアリールを一言で表すと、ハンドルを1回転させたときに“たくさんの糸を巻けるリール”です。
ローギアやノーマルギアと比べると、1度により多くの糸を回収できます。
ノーマルギアとどれぐらい違うのか?
ヴァンキッシュC3000番(シマノ)を例に挙げてみてみましょう。
ノーマルギアモデルは、ハンドル1回転で最大78センチの糸を巻き込めます。
それに対し、ハイギアモデルは89センチ、エクストラハイギアモデルは94センチもの糸を回収できるのです。
これがノーマルギアとハイギアの違いで、実釣中には大きな差となって現れます。
ハイギアのメリット
手返しが早い
ルアーの回収を素早く行うことができ、手数(キャスト数)が増えます。
ルアーがクイックに動く
ルアーの泳ぎだしがよくなるので、ストップアンドゴーなどのアクションにメリハリがつきます。
一定速度で巻きやすい
自転車の6速ギアで走るように、一定スピードの回転を維持しやすくなります。
巻きアワセが効く
素早く大きな負荷を針先に掛けられるため、針が貫通しやすくなります。
ファイト時にテンションが抜けない
ヒットした魚が手前に走ってきたとしても、魚の泳ぎにリールの回転が追従し、ラインテンションが抜けにくくなります。
ハイギアのデメリット
巻きが重い
自転車の2速ギアと6速ギアの違いと同じく、ノーマルギアよりも絶対に回転が重くなります。
巻き上げトルクが少ない
巻き上がトルクが少ないため、大物をゴリ巻きするときや抵抗が大きいルアーを巻くときはノーマルギアの方が楽に巻けます。
迷ったら、どっちを選ぶべき?
ノーマルギアとハイギアで迷った際は、ルアー釣り・エサ釣りを問わず、ハイギアがおすすめ!
解説したとおりにデメリットもありますが、パーツの強度や精度の向上によって、ハイギアのデメリットが薄れてきているのが現状です。
ただし、釣り人のクセや体力によって適したリールは異なるので、最終的には自身のフィーリングを重視して選んでくださいね。
自分に合った1台を選ぼう!
ハイギアリールのメリットとデメリットを中心に紹介しましたが、実は、ギアの好みは有名なプロアングラーでも意見が割れるところなのです。
「全ジャンルでハイギアが最強」という釣り人もいれば、「ローギアじゃないと釣れない魚がいる」という方もいます。
そのため、自身の釣行スタイルに合ったリールを選ぶことが大切ですよ!