リールメンテナンスのプロが写真で解説!スピニングリールのドラグを分解整備 ラインブレイクを防ぐためのリールのドラグ。しかし、普段はノーメンテの方も多いのでは?今回はリールメンテナンスのプロが、スピニングリールのドラグの分解整備を徹底解説します!

ドラグを分解していく!!

魚とのファイト時にラインを守ってくれるドラグ。重要な役割を担うパーツですが、意外とメンテナンスをしている方は少ないのではないでしょうか。

水洗い程度はするけれど、「ドラグのメンテナンスって難しいんじゃないの?」なんて声も多いはずです。

ところが、決してそんなことはありません。慣れれば10分ほどで完了する簡単な作業です。釣果に直結する大事な部分なので、ぜひメンテナンスしてあげてください!

筆者について

佐藤稜真

某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。

中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。

どんな時にメンテナンスが必要か?

水没

ドラグの最大の敵が「水」。水没した際はメンテナンスが必須です。

雨の後

小雨程度なら問題ありませんが、雨天の釣行後はメンテナンスするのがベター。

ドラグ酷使した後

大物とファイトすると、ドラグが激しく作動してグリスが消耗しています。

グリスの中には熱に弱い特性のものも存在します。そのため、夏はこまめなメンテナンスがおすすめです。

メンテナンスに必要なもの

キッチンペーパー

普段お使いのキッチンペーパーでOKです!

綿棒

普通の綿棒でも問題はありませんが、先が尖っているものが便利。100均などでメイク用綿棒として販売されています。

ピンセット

普通のピンセットでも使えますが、先曲がりタイプのものがおすすめです。

パーツクリーナー

使い勝手がいい速乾性のものがGOOD。ホームセンターなどで販売されています。

ドラググリス

必ず「ドラググリス」を用意してください。ギアグリスなどの他用途のグリスを使うと故障の原因になります。絶対にやめましょう。

ドラグのメンテナンス方法

スプールを外す

まずは、ドラグノブを回してスプールを本体から取り外しましょう。

バネを外す

スプールの上部から見えている、ハリガネ状のバネを外します。飛んでいきやすいのいで慎重に!

パーツを外し、順番に並べる

バネを外すと、その下にあるパーツを取り出せるようになります。ピンセットで上から順に取り出しましょう。

取り外したパーツは順番に並べてください。念のために写真を撮っておくと安心です!

パーツクリーナーで洗浄

綿棒にパーツクリーナーを吹きかけます。

その綿棒でスプール内の汚れを掃除しましょう。

取り出したパーツにパーツクリーナーを吹きかけ、キッチンペーパーで拭き取ります。

ご覧のように、古いグリスなどが落ちてピカピカになりました。

グリスをつけながら戻していく

パーツを戻す前に、スプール内部にベアリングがある場合はオイルを一滴挿しましょう。間違ってもグリスを塗らないように!

写真の量を参考にして、ドラググリスを十分にワッシャーに塗ってください。塗り終わったら、パーツを元通りにスプールへ戻してください。

※ワッシャーはリールによって、素材や枚数が異なります。

上の画像は、正しく戻せていない例です。溝にパーツがはまっておらず、バネが正しく入りません。

こちらが正しく戻せた例です。上手く戻せるか不安な方は、分解する前に写真を撮っておくのがおすすめ。

最後にバネを戻したらスプールをリール本体に取り付けて、動作確認をすれば完了です!

ドラグメンテナンスの注意点

先にも述べましたが、ドラググリスは他のグリスでは代用できません。必ず、ドラググリスを購入してください。

また、ドラグの動作が微妙に変化するものの、基本的には他メーカーのリールにもドラググリスを使いまわすことができます。

そして、慣れないうちはこまめに過程を写真で記録しておきましょう。

万が一、順番がわからなくなっても、メーカーのHPに分解図が載っていることが多いのでハードルはそんなに高くありませんよ。

ドラグのメンテナンスは釣果に直結します!

せっかく大きな魚をヒットさせたのに、ドラグの動作が悪いばかりにバラしてしまっては、悲しい限りですよね。

そうならないためにも、メンテナンスは抜かりなくやっておきたいところ。

そんなに難しくもないし時間もかからないので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!

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