港湾労組がスト、平日も22年ぶり 横浜など全国一斉

ストライキで港湾機能がストップした横浜港=15日、横浜市中区の本牧ふ頭

 全国の港湾労働者の組合が14、15日、最低賃金の引き上げなどを求めて48時間のストライキを行った。事業者側が誠実に対応しなかったとしており、東京港など全国の主な港ではコンテナの積み降ろしなどの荷役作業を一斉に停止。県内でも横浜港や川崎港では月曜日の15日、コンテナターミナルのゲートが閉鎖された。平日の24時間ストライキは1997年以来、22年ぶり。

 ストライキ終了後の16日朝以降、滞留していたコンテナなどの貨物が一斉に動くため、港の混雑が懸念される。組合はゴールデンウイーク10連休中のストライキも示唆している。

 ストライキを行ったのは、主に全国規模の7つの組合と15の地区港湾でつくる全国港湾労働組合連合会(組合員数1万6千人)。ストライキ中の業務は原則行わないとしたが、市民生活に支障をきたすものなどは対象外とした。

 組合はことしの春闘で、国が定める特定の産業で働く労働者が対象の「産別最低賃金」の引き上げなどを巡り、全国の港湾運送事業者でつくる日本港運協会(日港協)と交渉してきた。

 組合によると、日港協は各事業者が個別に対応するとして産別最低賃金の統一回答を拒否。さらに、中央労働委員会(中労委)が双方に提示したあっせん案を日港協が受諾しなかったことから労使交渉が11日に決裂した。組合は事前に通告した上で、14日朝から48時間ストライキに入った。

 組合によると、中労委のあっせん案は「労使双方は、産別最低賃金について、真摯(しんし)に協議を行い、その解決に努めること」とあった。組合は「産業別の交渉は統一回答があるからこそ成立する。産別交渉体制の維持こそ良好な労使関係の大道だ」と主張。日港協は「春闘中なので何も申し上げることはない」としている。

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