球審の胸元と女房役の背中にも当たる、意図的だったかとの質問に打者は…
■カブス 7-2 マーリンズ(日本時間16日・マイアミ)
カブスのダルビッシュ有投手が15日(日本時間16日)の敵地マーリンズ戦で5回2/3を投げ、4安打8奪三振2失点で今季初勝利を挙げた。降板直前の最後の一投となった99マイル(159キロ)の剛速球は打者の太もも付近に直撃する死球となっただけでなく、跳ね返って球審の胸元、女房役の背中にも当たり、米国で大きな話題に。被害者となったルイス・ブリンソン外野手は“恨み節”を漏らしている。MLB公式サイトが報じている。
“恐怖の瞬間”だった。カブスが5-2とリードして迎えた6回2死走者なしの場面で、ダルビッシュが打席に迎えたのはメジャー3年目の24歳外野手ブリンソン。カウント1-1で迎えたこの日の96球目、99マイルのファストボールは内角へ投じられた。
ブリンソンは急いで腰を引いたが、太もも付近を掠める死球に。軌道を変えたボールはオノラ球審の胸元を襲い、女房役のコントラレスの背中にも当たった。地元紙「USAトゥデー」が「ユウ・ダルビッシュが時速99マイルのファストボールで3人をノックダウン」と報じるなど、米メディアやSNS上で大きな話題を呼んだ。
被害者となったブリンソンは痛みからフィールド上でしばし動けず“苦悶”し、途中交代となった。
「自分が判断できることはないよ。騒動のような感じになったけどね」
記事によると、この試合でマーリンズ投手陣はカブスのブライアントに2度、コントラレスに1度、計3度死球を与えていたために、ダルビッシュの1球が報復目的で意図的だったのか、という質問をブリンソンは試合後に受けたという。
「わからないよ。彼は球速を上げてきていた。交代になるとか、知っていたのかもしれないね」
この1球の後、ジョー・マドン監督はクオリティスタート(6回以上を投げて自責3以下)達成まで打者1人だったダルビッシュに降板を告げたが、ダルビッシュのギアアップは降板を察知していたゆえ、とブリンソンは分析している。
「しかし、そこから自分が判断できることはないよ。騒動のような感じになったけどね」
ブリンソンはこう語った。地元テレビ局解説も「シーズン中に残り続ける類のアザでしょうね」と同情していたが、珍しいデッドボールの被害者もまた注目を集めることになった。(Full-Count編集部)