欧州のシーズンがクライマックスを迎えており、多くのクラブが現在の監督を変えるかどうか悩んでいることだろう。
ということで、このタイミングでやることには特に深い意味はないのだが、スペインとドイツ系の大物監督を10名ピックアップしてみよう。
ジョゼ・モウリーニョ
現在フリーエージェントの大物監督といえばもちろんジョゼ・モウリーニョだろう。成績面ではこのところ成功を収めているとはいい難いものの…。
レアル・マドリーの印象があるものの、彼が指導者としてブレイクできたのはボビー・ロブソン体制のバルセロナで通訳を務めたことがきっかけであり、両方を熟知している。
問題はもちろんその高すぎる給与だろうが、ブランド価値を向上させるという意味では…。
アンドレ・ヴィラス=ボアス
ジョゼ・モウリーニョの片腕の一人であったアンドレ・ヴィラス=ボアス。サッカー選手としてのキャリアはないものの、モウリーニョの師匠であるボビー・ロブソンに手紙を書いたことからスタッフに招かれたという経歴がある。
その後ポルト時代からモウリーニョのアシスタントを務め、監督として独立してからはチェルシーやトッテナム、ゼニトなどを指揮してきた。
2016年には中国の上海上港と契約したり、ダカールラリーに出場するなどある意味「冒険家」でもある。日本での指揮を希望したとも言われるが…。
フレン・ロペテギ
昨年10月末にレアル・マドリーを解任された後、ほとんど音沙汰がないロペテギ監督。バスクの生まれでマドリッド育ちであるが、実は選手としてバルセロナに所属していた経験もある。
スペインのユース代表チームを長く率いていたこともあり、同国のスタイルを熟知している人物であると言える。
チーバス・グアダラハラからオファーを受けていると言われているが、メキシコのチームとならばJリーグも対抗できるだろう。
パブロ・マチン
ジローナを率いて緻密なサッカーを繰り広げ、大きな話題になったマチン監督。一時は世界トップクラスの若手指揮官だと持て囃された。
昨年夏にはセビージャが契約解除料を支払ってまで引き抜きを敢行したものの、成績が低迷。ヨーロッパリーグからの敗退を受けて解任されている。
現在はレアル・ソシエダが彼の招聘を考えていると言われているが、まだ具体的な進展はない。
ミゲウ・カルドーソ
今季2回の解任を経験したポルトガル人指揮官。攻撃サッカーを標榜する戦術家として知られており、2017-18シーズンのリオ・アヴェで大きな話題を集めた。
昨年夏にはフランスリーグのナントに就任するも、戦術を浸透させられず、エースのエミリアーノ・サラも使い切れず、わずか8試合で解任された。
そして次はセルタの監督に招かれるも、こちらでも成績は伸びずに15試合で解任。他のクラブが手を出しにくい状況になっていることを考えれば、欧州以外のクラブにとってはチャンスなのかもしれない。
デイヴィッド・ワグナー
ドイツ生まれのアメリカ代表選手だったワグナー。現役引退後、マインツ時代の同僚であったユルゲン・クロップの誘いでボルシア・ドルトムントのコーチングスタッフになった。
2015年から指揮してきたハダーズフィールドではプレミアリーグ昇格を成し遂げ、この立場のチームでは珍しく3シーズン以上監督を務めることになった。
今季は残念ながら1月の段階で最下位になってしまったことから解任されている。相互の合意で契約が解除されているのも、彼を雇いたいクラブにとっては朗報だ。フラムが来季の監督として狙っているとも…。
ドメニコ・テデスコ
2017年からシャルケ04を指揮してきたドイツの若手監督。まだ33歳という若さでブンデスリーガを戦ってきたが、先月解任されてしまった。
言語に堪能であり、ドイツ語もスペイン語もフランス語もイタリア語も使える。様々な国の選手が集まっているクラブではそれも重要になるだろう。
解任されたとはいえ、世界でも注目を集めている監督の一人であることに変わりはない。若き戦術家の復活の場として、アジアのリーグはどうだろうか?
ミカエル・ラウドルップ
デンマーク代表選手だったラウドルップであるが、バルセロナとレアル・マドリーで活躍した経験を持っており、指導者としても「スペイン流」だ。
デンマークではスペイン産ワインの輸入業者を経営しており、そしてヴィッセル神戸でプレーしたことも…。そして、若き日のイニエスタが憧れていた選手でもあった。
2014年にスウォンジーを離れてからはカタールのレフウィヤ(現アル・ドゥハイル)、アル・ラーヤンを率いていたが、昨年夏からはフリーエージェントとなっている。
ミチェル
レアル・マドリーで長くプレーした選手であったミチェル。端正なルックスで人気を博した。怪我のために現役引退してからはラージョで指導者デビュー。
ヘタフェやセビージャ、マラガの指揮を経験した他、オリンピアコスやマルセイユなど外国のクラブも指導している。このところ結果が全く出ていないが…。
2015年には日本代表監督の候補にも上がったミチェル。結局その際にはハリルホジッチになったわけだが、何らかのコネクションはありそうだ。
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フアン・エスナイデル
エスナイデルといえばハイライン・ハイプレス。まさに攻撃サッカーという戦術を標榜し、スリリングな試合を繰り広げてくれるかもしれない。
アルゼンチン出身だが選手、監督としてスペインで学び、ポルトガルでのプレー経験もあり、しかもドイツ人の血を引いていて、日本での指揮も。条件に合致するクラブには最適かもしれない。
ベテラン選手が多いクラブにとっては、その異常に厳しい食事制限も大きな助けになるかもしれない。