点字ブロック上の看板に衝突・負傷 障害者と設置会社和解

横浜地裁

 点字ブロック上に置かれた看板に衝突しけがを負ったとして、神奈川県横須賀市在住の目の見えない女性(48)が、看板を設置した横浜市の舗装工事会社に計約580万円の損害賠償を求めた訴訟は18日、横浜地裁(葛西功洋裁判官)で和解が成立した。会社側は解決金として200万円を支払い、再発防止に努めるとした。

 訴えによると、女性は2016年7月14日、同市のバス停付近の歩道をつえで確認しながら歩行中、道路の舗装工事を通知する看板(縦150センチ、横100センチ)に衝突し転倒。両足首を捻挫するなど全治8カ月の重傷を負った。看板は点字ブロック上に停車したトラックに立て掛けられていた。

 原告側は、現場付近は福祉施設が多数存在し、会社側は特に安全に配慮すべきだったと主張。後遺症により仕事ができなくなったなどとして慰謝料も求めた。和解条項で会社側は、安全確保が不十分だったことを認めた。

 女性は神奈川新聞の取材に「判決内容はうれしいが当然ではという気持ちもある。点字ブロックに気をつけてもらえるよう社会に発信できればいい」と話した。

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