家族、命を問い掛ける 舞台「母と惑星―」25日上演

「命をどうつなげていくかが大きなテーマの作品」と語る鈴木さん=東京都内

 長崎に育った母親と3姉妹の生き方を通し、命や家族の在り方を問い掛ける舞台「母と惑星について、および自転する女たちの記録」が25日午後6時半から、長崎市民会館文化ホールで上演される。出演する女優の鈴木杏さんが長崎新聞社のインタビューに応じ「家族の普遍的な話で、舞台を見たことがない人にも身近なこととしてすっと入り込める作品」と見どころを語った。

 作品は2016年に初演し、優秀な新作戯曲に贈られる鶴屋南北戯曲賞を受賞。今回再演が決まり、3月の東京を皮切りに高知や京都などで上演。長崎公演が大千秋楽となる。

 奔放な生き方の末に突然死した母親と残された3姉妹の物語。遺骨を抱えて異国を旅する3姉妹が母親の亡霊と遭遇し、結婚や出産などの女性の性や生き方、自立について考える。母親と娘の関係性の中に潜む独特の愛憎も浮かび上がらせ、長崎弁が多く登場する。

 鈴木さんは専業主婦の次女役で出演。作品の奥行きの深さや役設定から「どことなく私自身に似た次女でターニングポイントになった作品」と語り、「命をどうつなげていくかが大きなテーマ。あまり難しいことを考えずに見に来ていただけたら」と話した。出演は他にキムラ緑子さん、田畑智子さん、芳根京子さん。

 チケットは全席指定。一般7800円、25歳以下4千円。問い合わせはピクニックチケットセンター(電050.3539.8330、平日午前11時~午後5時)。

© 株式会社長崎新聞社