改元祝賀ムードを商機に ハタ、ケーキ、せんぺい… 「平成」惜しむ宿泊プランも

令和にちなんだ商品が次々と生まれている。右上から時計回りに栗まんじゅう、長崎ハタ、九十九島せんぺい、創作ケーキのコラージュ

 「令和」時代が間もなくスタート。県内では商品開発やイベントを企画するなどして、祝賀ムードが高まりつつある。景気後退への懸念が広がる中、関係者らからは「お祝いの雰囲気に乗って購買意欲を喚起できれば」との声が聞かれる。一方「平成」を惜しむ企画もあり、時代の節目を商機に結び付けようと趣向を凝らしている。

 長崎ハタ専門店「大守屋」(長崎市)は令和の文字をあしらったハタを販売中。令和が万葉集の梅見の歌の序文から引用されたことにちなみ、梅の花をデザインしたものもある。持ち運びしやすい20センチ四方(1300円)が一番人気。観光客のほかプレゼント用にまとめ買いする人も多く、大久保学代表は「ゴールデンウイークに向け、さらに盛り上がるのでは」と期待する。

 栗まんじゅうの老舗「田中旭栄堂」(長崎市)は新元号が発表された数時間後に、平成と令和の文字を印字した2個セット(500円)の販売を始めた。金粉と銀粉をまぶした特別仕立てで、田中耕太郎社長は「平和に菓子を食べられる時代が続くようにとの思いを込めた」。特大サイズの注文も受け付け中。

 「お菓子のいわした」(西海市)は創作ケーキ(500円)の販売を30日から始める。チョコ、ゴマ、ほうじ茶のムースを三層に重ね、令和と書いたホワイトチョコと金粉をトッピング。4代目の岩下武士さんは「新元号へのカウントダウンで食べながらそれぞれの元号を振り返るきっかけになれば」。

 「改元の影響がここまで大きいとは」。菓子製造販売、九十九島グループの佐世保営業1課、陣内栄太郎マネジャーは驚く。改元発表後、九十九島せんぺいの中央に「令和」の文字入れの注文は個人や企業などから約100件あった。5月1日午前10時、浜屋百貨店(長崎市)で「令和」と書いた九十九島せんぺいを配布する。

 その浜屋百貨店ではセールを実施。ハンカチやポーチなど5千円相当の商品が入って1080円(50点限り)の祝袋などを用意する。特別品として、清水寺の森清範貫主揮毫(かんすきごう)の「令和」を受注販売する。このほか「奉祝 天皇陛下のご即位をお祝い申し上げます」と記したタペストリーを店内に掲げる。

 コスメショップ「まちやコスメてふてふ」(長崎市)は店内商品を20~30%引きする。店頭にはスタッフ手作りのおみくじもあり「新時代のスタートを前に運試しを」と三浦詩奈店長。

 一方、残りわずかな「平成」に重きを置いた企画も。ウォーターマークホテル長崎・ハウステンボス(佐世保市)は、今年が平成31年であるのにちなみ3万1千円(2人1室利用)の宿泊プランを提供している。今月に入り予約が増えているという。25日の宿泊分まで予約受け付け中。

 元号が変わる前に婚活の第一歩を踏み出してもらおうと特別コースを設定したのは結婚相談所ジェムズ(西彼時津町)。体験入会コース(5400円)は通常の30日から40日に延長。今月に入り問い合わせが殺到しており、運営する未来クリエイトジャパンの山口健太郎社長は「令和元年に結婚を望む女性を後押ししたい」と話している。

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