モチーフは自然 横浜でウィリアム・モリスと英国の壁紙展

モリスの代表的なデザインの壁紙が並ぶ一角=そごう美術館

 19世紀英国で「モダン・デザインの先駆者」として自然をモチーフに美しい図柄の壁紙を生み出したウィリアム・モリス(1834~96年)を紹介する「ウィリアム・モリスと英国の壁紙展」が20日、横浜駅東口のそごう美術館で始まる。6月2日まで。神奈川新聞社などの主催。

 モリスのデザインを中心に、英国有数の壁紙会社サンダーソンが所蔵する壁紙や版木など約130点が並ぶ。英国の壁紙の変遷をたどりながら、モリスのデザインがどのような役割を果たしたのかに迫っている。

 生前は詩人としても活躍したモリスは、現在、工芸家として知られる。幼少時から親しんだ動植物を繊細にデザインした図柄は広く受け入れられ、現在も人気だ。生活と芸術が一致した美しい暮らしを目指すアーツ・アンド・クラフツ運動を提唱し、実践した。

 当時、英国をはじめとする欧州で人気を集め、モリスも影響を受けたのが日本製の「金唐革紙」と呼ばれる壁紙だ。和紙にエンボス加工を施し、顔料で美しく着色した高価な壁紙で、貴族の邸宅などを飾った。

 英国のロットマン・ストローム社は、横浜に工場を設立して金唐革紙を生産しており、海を渡った壁紙が「里帰り」して並ぶ。

 一般1300円、高校・大学生800円、中学生以下無料。問い合わせは同館電話045(465)5515。

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