全日本ロードレース選手権JSB1000クラスは4月20日、鈴鹿サーキットで第2戦の決勝レース1が行われ、高橋巧(Team HRC)が優勝した。
第2戦鈴鹿のレースフォーマットは2レース制、レース1は14周で争われる。またレース1は、開幕戦もてぎに続き、鈴鹿8時間耐久ロードレースの出場権をかけた選抜レース(トライアウト)の2ndステージとなっており、エントリー台数は69台。トライアウトには38チームがエントリー。レース1では最大10チームが鈴鹿8耐の出場権を得る。
午前中に行われた予選では、高橋巧が中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が持つ鈴鹿サーキットのコースレコード2分4秒876を1秒以上上回る2分3秒874でポールポジションを獲得。2番手は開幕戦のウイナー中須賀、3番手はヤマハ、ホンダ以外で唯一2分4秒台に入れた渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)というフロントロウの並びになった。
14周で争われるレース1は、予選の結果により41台が決勝グリッドに並んだ。天候は午前中と同じく快晴。手元集計で気温19度、路面温度37度というコンディションで14時45分からウォームアップ走行がスタートした。
迎えたスタートでホールショットを奪ったのは高橋巧、その後方に中須賀が続く。3番手スタートの渡部一樹は、好スタートを決めた渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)に1コーナーで交わされるが、ダンロップコーナーで抜き返してポジションを維持。高橋巧、中須賀のトップ2台を追う。
1周目、早くも中須賀が130Rで高橋巧に仕掛けてトップを奪取。しかし、高橋巧も負けずに2周目のS字コーナーでトップを奪い返し、先頭を守った。トップ2台の後方では渡辺一樹、野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2)、渡辺一馬による3番手争いが急接近し、3周目に入ると3台は1列の状態となる。
■高橋巧を追う中須賀がまさかの転倒。3番手争い劇的な結末に
中須賀は、トップを走る高橋巧にぴたりとつけていたが、3周目にデグナーカーブでまさかのスリップダウン転倒を喫する。転倒後、中須賀は再スタートを切れず、そのまま自分の足でコースから抜け出し、リタイアとなった。これで高橋巧は独走態勢となる。
4周目、3番手争いが動く。日立オートモティブシステムズシケインで野左根、渡辺一樹、渡辺一馬の3ワイドになり、これを渡辺一馬が制す。以下の野左根、渡辺一樹という並びで5周目へ。
その5周目の1コーナーで4番手の野左根が渡辺一馬にしかけるが、これを渡辺一馬がブロック。しかし、2輪専用のMuSASHiシケインで野左根が再び渡辺一馬に仕掛けて3番手を奪う。
6周目には渡辺一馬が野左根のスリップを使い130Rでパス。しかし7周目のスプーンカーブ前で再び野左根が交わす。以降も野左根と渡辺一馬は順位を入れ替えながら周回。その後方には渡辺一樹がぴたりとつけてるという状況となる。
12周目には渡辺一樹が最終コーナー手前で渡辺一馬を交わして4番手に浮上。13周目の1コーナーでは野左根とサイド・バイ・サイドになるが、これを野左根がブロックし3番手を守った。
独走の高橋巧はトップを譲ることなくファイナルラップへ。野左根、渡辺一樹、渡辺一馬の3番手争いは接近戦のまま最終周を迎える。最後は高橋巧が2位以下に16秒以上の大差をつけ、ポール・トゥ・ウインで今シーズン初優勝をかざった。
3番手争いは日立オートモティブシステムズシケインで再び3ワイドの争いになった。この3台のうち、野左根、渡辺一馬が止まりきれずにスリップダウン。渡辺一樹は無事に最終コーナーを立ち上がり2位でフィニッシュし、ヨシムラで初の表彰台を獲得した。
転倒した野左根はすぐにマシンを起こして再スタートを切り、3位でフィニッシュ。渡辺一馬も再スタートを切るが、後報から迫った秋吉に交わされ、5位でレースを終えた。
鈴鹿8耐トライアウト対象チームでは、HiTMAN RC甲子園ヤマハ、TEAM WITH 87 KYUSYU、チーム阪神ライディングスクール、Honda 緑陽会熊本レーシング、Team Kodama、MobiusGreen YAOKAWASAKI、チームスガイレーシングジャパン、磐田レーシングファミリー、moto CUBIC+Motorrad Toyota、H.L.O RACING SUZUKINの10チームが鈴鹿8耐の出場権を得ている。
全日本ロードレース第2戦レース1の順位結果は以下の通り。
■全日本ロードレース選手権第2戦鈴鹿
JSB1000クラス決勝レース1順位結果(14周)
Pos. No. Class Rider Team Motorcycle TotalTime/Delay
1 13
高橋巧 Team HRC ホンダCBR1000RR SP2(2018) 29’23.628
2 26
渡辺一樹 ヨシムラスズキMOTUL スズキGSX-R1000L9(2019) 16.698
3 4
野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM 2 ヤマハYZF-R1(2018) 26.300
4 090
秋吉耕佑 au・テルルMotoUP RT ホンダCBR1000RR SP2(2018) 28.706
5 23
渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN カワサキZX-10RR(2019) 35.204
6 12
加賀山就臣 ヨシムラスズキMOTUL スズキGSX-R1000L9(2019) 36.217
7 64
岩戸亮介 Kawasaki Team GREEN カワサキZX-10RR(2019) 37.857
8 634
水野涼 MuSASHi RT HARC-PRO.Honda ホンダCBR1000RR SP2(2017) 46.351
9 15
Z.ザイディ Honda Asia-Dream Racing with SHOWA ホンダCBR1000RR(2017) 46.558
10 75
前田恵助 YAMALUBE RACING TEAM ヤマハYZF-R1(2018) 47.299
11 72
高橋裕紀 KYB MORIWAKI RACING ホンダCBR1000RR(2017) 51.240
12 35
亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team ホンダCBR1000RR 58.270
13 95
生形秀之 エスパルスドリームレーシング スズキGSX-R1000L8(2018) 1’04.733
14 806
長尾健吾 Zaif NCXX RACING&ZENKOUKAI ヤマハYZF-R1(2019) 1’06.639
15 71
津田拓也 TK SUZUKI BLUE MAX スズキGSX-R1000(2019) 1’12.315
16 19
濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ ホンダCBR1000RR SP2(2018) 1’16.694
17 25
渥美心 TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW・S1000RR(2016) 1’16.915
18 080
羽田太河 au・テルルMotoUP RT ホンダCBR1000RR SP2(2018) 1’23.761
19 3
M.アチソン KRP三陽工業&RS-ITOH カワサキZX-10RR(2018) 1’24.060
20 18
津田一磨 Team Baby Face ヤマハYZF-R1 1’34.320
21 85 8h 中冨伸一 HiTMAN RC甲子園ヤマハ ヤマハYZF-R1(2019) 1’35.573
22 74
南本宗一郎 AKENOSPEED・YAMAHA ヤマハYZF-R1(2016) 1’36.320
23 70 8h 清末尚樹 TEAM WITH 87 KYUSYU カワサキZX-10RR 1’44.518
24 98 8h 佐野勝人 チーム阪神ライディングスクール カワサキZX-10RR(2017) 1’56.215
25 36
今野由寛 Moto Map SUPPLY スズキGSX-R1000R(2019) 1’56.450
26 31 8h 小島一浩 Honda 緑陽会熊本レーシング ホンダCBR1000RR(2012) 1’56.673
27 22 8h 児玉勇太 Team Kodama ヤマハYZF-R1(2018) 2’06.652
28 80 8h 中本郡 MobiusGreen YAOKAWASAKI カワサキZX-10RR(2017) 2’07.146
29 30 8h 須貝義行 チームスガイレーシングジャパン アプリリアRSV4 RF 1Lap
30 54 8h 宮腰武 磐田レーシングファミリー ヤマハYZF-R1(2015) 1Lap
31 105 8h 大野英樹 moto CUBIC+Motorrad Toyota BMW・S1000RR(2015) 1Lap
32 92 8h 樋口耕太 H.L.O RACING SUZUKIN スズキGSX-R1000R(2017) 1Lap
33 39 8h 辻本範行 TEAM VITAL SPIRIT BMW・S1000RR(2017) 1Lap
34 40
西中綱 ルート17&MOTORCYCLES#27 ホンダCBR1000RR(2014) 1Lap
35 55 8h 中島元気 Honda浜友会浜松エスカルゴ ホンダCBR1000RR(2017) 1Lap
36 90 8h 犬木翼 H.L.O RACING スズキGSX-R1000R(2017) 1Lap
– 61 8h 奥田貴哉 Team de” LIGHT ドゥカティ・パニガーレV4 R(2019) 10Laps(リタイア)
– 1
中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM ヤマハYZF-R1(2019) 12Laps(リタイア)
– 46
星野知也 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW・S1000RR(2017) 12Laps(リタイア)
– 52 8h 寺本幸司 TERAMOTO@J-TRIP Racing BMW・S1000RR(2018) 12Laps(リタイア)
– 44
関口太郎 Team ATJ ホンダCBR1000RR SP2(2017) スタートできず