
「当選だ」-。定数14に対し、16人が争った東彼川棚町議選。県と佐世保市が同町に計画する石木ダムの建設予定地の反対地権者で、無所属新人の炭谷猛さんがトップで初当選し、選挙事務所で仲間らと議席獲得を喜んだ。
建設予定地である川原地区では反対住民13世帯が暮らすが、県は宅地を含む土地の収用手続きを進めている。「町民の土地が奪われようとしているのに、町も議会も黙ったままだ」と不信感を募らせていた。
反対住民の思いや現状を知ってもらい、ダム問題について考えてもらおうと、2年前から町内各地で学習会を重ねた。世論の広がりを感じ、町議選への出馬を決意。同地区住民や反対運動の支援者の協力を得ながら町中を駆け回り、「自然豊かな川棚にダムは要らない」と声をからした。
炭谷さんは選挙事務所で万歳し、「ダムは要らないという声が町民の信任を得た。しっかり反対の声を訴えていく」と言葉に力を込めた。