**来米前から飲食業をされていたのですか?
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実は元々、日本ではアパレルブランドのバイヤーとして、買い付けなどを担当していました。来米の目的も、パーソンズ大学でファッションビジネスを勉強するためでした。
ただ、昔から食べ歩きが大好きで、飲食業にも少し興味がありました。一見全く異なる業種ですが、ファッションもフードも、はやりやシーズンに敏感な点が共通していると思います。
「カフェ・ザイヤ」と縁ができたことをきっかけに、飲食業の面白さにすっかりはまって、同店に社員として入社しました。そこでマネジャーを務めていたとき、「ベントオン」社長の古川と出合いました。古川の「日本の弁当文化をアメリカに広げる」という壮大な夢に心を奪われて、付いていこうと決めました。
日本人客の多い「カフェ・ザイヤ」と、現地人客の多い「ベントオン」は接客やビジネス戦略も違うので、比較すると面白いです。
弁当は徐々にアメリカでも浸透していますよね。
確かに「bento」という言葉自体は知られていますが、一般的なアメリカ人のイメージとして、プリメードの(すでに食材が詰められた)弁当は、「余り物の詰め合わせ」という、ややマイナスのイメージがあるようです。
一つの箱の中でさまざまなジャンルの料理を、フルコースで楽しめるのが弁当のいいところなので、そういったことをもっと皆さんに知ってもらいたいですね。
今年から副社長に就任しましたが、今の心境は?
これまでは「ベントオン」2店舗のマネジャーだったのですが、会社全体を背負う今、改めて責任の重さを実感しています。
元々現場での接客が得意なのですが、企画立案などのデスクワークは頭の使う部位が違って、大変です(笑)。やるべきことが、どんどん降り注いでくる感覚! 煮詰まったら、気分転換にレジカウンターで接客することもあります(笑)。
今は後任のゼネラルマネジャーの育成に、特に力を入れています。
スタッフの指導で気を付けていることは?
やはり現場に入ってみないと、現場の改善点は分からないので、自分が実際に働いている姿を見せています。レシートを両手で手渡すといった日本式のサービスの良さは、実演してお客さまの反応を見せると、アメリカ人スタッフにも伝わりやすいですし。
何より、スタッフには楽しんで仕事をしてもらいたいので、彼らの目線に立って指導するようにしています。スタッフが楽しんで働いてくれれば、笑顔のサービス、そしてお客さまの笑顔につながります。みんなの笑顔を見るのが、私の一番の喜びです。
今後の目標は?
ニューヨーカーの誰もが、「ベントオン」のロゴを認識してくれるくらい、大きな会社にすることです! そのためにも、今目の前にあることに、一つ一つ丁寧に取り組んでいきたいです。