(写真:写真AC)
私のホームタウンであるニュージーランドのクライストチャーチで起きた恐ろしい銃撃事件の後、銃撃事件に対する備えと対応はどうあるべきか、私たちの取り得る最善の行動は何かということに関する方策や助言を収集してきました。
Step1:Prevent 防止
- ・従業員と来訪者を守る最善の方法は、まず前もって事件が発生するのを防止することです。
・避難手順を含む事業継続計画を作成します。始めるのに助力が必要なら、私が提供しているBCP Builderの事業継続計画テンプレートを確認してください。
・暴力行為のリスクを最小化するために、あなたのいる施設や人の評価をします。
・行動リスクの脅威評価:従業員に疑わしい行動や暴力行為のリスクがないか、気を付けます。
・外側のドアを閉め、IDカードを着用します。
・疑わしい行動を報告します。
Step2:Prepare 準備
• あなたのチームに緊急事態の訓練を行い、避難計画について話し合います。
Step3:Respond 対応
• 暴力行為のさなかにあなたが取り得る主要な選択肢は下記の通りです。
ALICE: Alert:警報、Lockdown:監禁(閉じこもる)、Inform:情報伝達、Counter:対抗、Evacuate:避難
ALICEのステップ
定義
例
Alert:警報
どんなものでもいい。
号砲、館内放送、目撃者、電話、テキストアラート。
Lockdown:監禁
(閉じこもる)
生き延びるための、完全ではないが安全な出発点となる。避難しないと決定したなら部屋の施錠などをしっかりする。
ドアをロックし、可能なら、ドア窓をカバーし、ベルト、財布のストラップ、コードなどでドアを縛り止める。机、椅子などその場にあるものを何でも使ってドアをバリケードする。窓、別のドアなど他の脱出ルートを捜す。警察などに通報する。
Inform:
情報伝達
あらゆる方法でリアルタイムの情報を伝える。
分かりやすい言葉で話す(符号は使わない)。緊急通報、監視カメラなど何でもよいので「誰が」「何を」「どこで」「いつ」そして「どのように」の情報を伝える。現場にいる人、あるいは現場に来る人が常識的な意思決定をすることを可能にするためのものである。スカイワードアラート、館内放送、警察無線が使える。
Counter:
対抗
侵入者の注意をそらしたり、避難したり、拘束するためのシンプルで積極的なテクニックである。
気をそらすためには何でも使う。侵入者の頭に物を投げ、その狙いと集中を妨げる。できるだけ騒音を立てる。グループ(群れ)となって対抗する。四肢や頭をつかみ床に押さえつける。もし銃撃犯を取り押さえているならば、緊急サービスと警察に連絡してどこにいるかを伝え、警官が来たらその指示に従う。
Evacuate:避難
危険な場所からなるべく早く移動し、集合地へ行く。
安全に避難できるかを決める。なるべく速くジグザクに走る。現場から十分遠く離れたところまで走り続ける。侵入者と鉢合わせする時のことを考えて投げる物を持って出る。落下距離を最小にするため窓からぶら下がって飛び降りる。けがの可能性をできるだけ軽くするよう茂み、腐葉土(木の葉・藁・土など)、草の上に落ちる。車で逃げない。
Step4:Recover 回復
- ・事件後のあなたの行動が、心理的な影響が長引くのを軽減させ、事業継続の安全を守るものとなります。
- ・事件後の数分間が回復のプロセスにとって重要です。
- ・従業員と来訪者の安全を確実にしたらクライシスコミュニケーションに注意を向けます。
- ・包括的な報告会をもって得られた教訓を樹立し、それらを計画に組み入れます。
下記の資料を含めました。
• A short video on “Run, Hide, Tell”
「走れ、隠れろ、伝えろ」の短縮ビデオ
• A longer video on “Run, Hide, Fight”
「走れ、隠れろ、逃げろ」の長尺版ビデオ
(了)
原文
https://www.bcpbuilder.com/2019/03/20/active-shooter/