備えれば安心!現役船長が教える「初めての乗船ガイド」 船長が魚のいるところに案内してくれて、魚もいっぱい釣れちゃう!?それが船釣りのイメージですよね。ただし乗りたいけど、準備や予約などわからないところが多いですよね。今回は現役のボートシーバス船長が船の予約方法から、準備まで、初めて船に乗るまでを徹底ガイドしちゃいます。

現役シーバス船長

日本全国で営業をしている釣り船屋さん。一言で釣り船屋といっても形態はさまざまです。

今回は、釣り船屋さんって何?どういうものなの?というところから、仕事はガイド、趣味は釣りの現役ボートシーバス船長が釣り船の乗り方や乗船時のマナーなどを紹介したいと思います。

初心者の方や釣り船に乗ったことのない方でも、これを読めば安心して釣り船に乗ることができますよ!

釣り船とは-釣り船の基本

まずは釣り船というものから解説していきましょう!魚のいるだろう場所まで船長が案内してくれ、釣りを楽しめるのが釣り船です。遊漁船とも呼ばれます。

釣り船の形態

釣り船には主に乗合船、仕立て船(チャーター船)2つの形態があります。乗合船は、一人から乗船可能な形態で他のお客さんと乗り合いで乗船する形態で料金は一人10,000円程です。

仕立て船は、船一隻をチャーターする形態で、人数をまとめて一隻いくらで料金を支払う形態で、船の規模によって値段は様々ですが、おおよそ小さいガイド船なら30,000円から、中型船で70,000円から貸し切れる事が多いです。

釣り船屋さんの呼び方

乗合、仕立て問わずに中型以上の船で操業している釣り船屋さんを一般的に『船宿』と呼びます。

逆に小型船で操業しており、主にルアーでの釣りをメインとしている釣り船屋さんを一般的に『ガイド』と呼びます。

ちなみにガイドの方が小さい船で操業する事が多い事もあってか、自然と会話が多くなることも多いです。釣りのことも聞きやすいですよ!

釣り船の選び方

釣り船の選び方ですが、乗合なのか仕立てなのか乗船したい形態を決めます。その中で釣り物と釣り場、釣法などを照らし合わせて船宿を決定しましょう。

多くの船宿には定休日が存在しますので、定休日にも気をつけなくてはなりません。

季節の釣り物などもありますので、HPなどで確認できなければ直接船宿に電話して問い合わせてみましょう。

釣り船の予約

船を選んだら早速予約をしちゃいましょう。予約方法は船宿によって若干違い、最近ではネット予約も普及していますが、電話での予約が一般的で確実です。

都市部の乗合船では予約の必要のない船宿も存在しますが、基本的には釣り船に乗るためには予約が必要となってきます。

少し面倒かもしれませんが、電話予約の際に釣果や最近の状況を合わせて聞くことができます!

続いては乗船編

いよいよ乗船当日

いよいよ乗船当日ということで、初めての船宿へは最低でも出船時間の1時間前に到着するようにしましょう。

準備や受付、また出船場所と受付場所が遠く離れている場所は、その間の移動など到着してから意外と時間がかかります。

ギリギリになると、船長はもちろんのこと他のお客さんにも迷惑が掛かってしまうので、余裕を持った時間に到着するようにしましょう!

現役シーバス船長

万が一のトラブルで出船時間に間に合わない場合は必ず電話連絡をしましょうね!

釣り座の選び方は?

釣り船の中での自分が座る釣り座は、各船宿によって選び方が異なります。受付順が主流ですが、最近は公平を期すためじゃんけんや、くじ引き、ルアー釣りなどではローテーション制を採用している船宿もあります。

予約電話の際に釣り座の決め方についても聞いておく方がいいでしょう。

釣り座の呼び方と特徴

釣り座によって呼び名や場所による特徴があります。船の最前部をミヨシと呼びます。逆に最後部をトモと呼び、真ん中付近を胴の間と呼びます。

ルアー釣りでは、船は基本的に前に進むことが多く、魚へのファーストコンタクトを得やすいことからミヨシがいい釣り座とされています。

逆にエサ釣りでは、揺れの大きいミヨシよりも、安定して釣りができる胴の間や、トモが好まれる傾向にあります。

現役シーバス船長

釣り座が釣果に直結するときもありますが、胴の間でのんびり釣りをするのも楽しいですよ。

後は楽しむだけ!実釣中の注意点

乗船し、座席も確保したら出発までにタックル・仕掛けの準備を済ませましょう!後は高鳴る気持ちをおさえ、いざ出船。わからないことは船長に聞いて釣りを満喫してください!

と、その前に船での釣りを満喫するために、是非心がけておきたいことをお伝えしたいと思います。

隣人とは仲良くトラブルなく

乗合船に乗る際は、他のお客さんへの挨拶を是非心がけてみてください!

特に両隣のお客さんは、仕掛けがからんでしまったり、迷惑をかけることがあるかもしれません。必ず挨拶やコミュニケーションを取りましょう。

周りとコミュニケーションが取れると、釣り方なども共有出来て、結果的に自分の釣果がよくなるかもしれません!

現役シーバス船長

お客さんはみんな同じ魚を釣りたいと思っている仲間たちと考えてみてください!挨拶一つですぐ仲良くなれますよ!

移動時の注意点

移動時はとにかく動かないこと!これは非常に重要なポイントです!動くと不意に受けた波で船が揺れて転んでしまったり、どこかにぶつかってケガをしてしまったりと非常に危険ですので、移動中はその場から動かないようにしましょう。

ただし釣り座を絶対動いてはいけないという訳ではありません。例えば風が吹いていると片側は波をかぶって濡れるのに、もう片側は全く濡れなかったりします。こういう場合は、船が走り出す前に濡れない側に移動したり、船室に入って移動中を過ごしましょう。

現役シーバス船長

移動中は他のお客さんと話ができる最大のチャンス!積極的に話しかけてみましょう!

船長からみたこういう人は危ない!!

一番危ない人、それはルールやマナーを守らない人です!例えば、シーバス船ではバーブレスフックを必須としていますが、バーブ付きのフックを使ってしまう方がどうしてもいてしまいます。

これは万が一、キャスティングの際などに人に引っかけてしまった場合に、簡単に針が抜けるようにという意味合いでルールを設定しています。もちろん刺さった側の体の保護をしているルールなのですが、実は刺してしまった側の責任の軽減も目的としています。

バーブがついたフックが刺さった場合、そのまま病院で手術という場合もあり得ます。その治療費や慰謝料などの刺してしまった側の人のことも考えて、船宿はルール作りをしているのです。魚を釣りたい一心でバーブ付きの針を使っている方ほど、周りが見えておらず人を釣ってしまう傾向にあります。

現役シーバス船長

船宿が作ったルールについては必ず守りましょう!とはいえほとんどのルールは『当たり前』のことばかりですので難しいことは一つもありません

次ページでは装備を確認

釣り道具以外に必要・便利なもの

ロッドやリール、エサやルアーなどの釣り道具のほかに必ず必要なものや、あったら便利なものがありますので是非参考にしてみてくださいね!

ライフジャケット

釣り船に乗るためにはライフジャケットが必ず必要です!無料で貸してくれる船宿がほとんどですが、多くの船宿は夏は暑く、動きずらい浮力体タイプしか用意がない場合が多いので、膨張式タイプのライフジャケットを自分で用意しておくと釣りが快適になります。

膨張式はAタイプと呼ばれる形式が、釣り船全般に使えるのでおススメですよ!

現役シーバス船長

個人的には肩がこらない腰巻のライフジャケットがおすすめです!

長靴・サンダル

釣り船では、海水をポンプでくみ上げて釣り座ごとに出る仕組みになっていたり、そういった設備がなくてもバケツでくみ上げたりしてデッキが濡れていることが多いです。

なので、スニーカーや革靴だと濡れて不快な足元で一日過ごすことになりかねないので、あまり好ましくありません!

安全面・快適性を考えても履物は長靴が絶対おススメ!夏季などは滑りにくい釣り用のサンダルもいいと思います!

現役シーバス船長

長靴といっても磯用のスパイクの付いたシューズや長靴は船が傷つくので絶対やめてくださいね!

クーラーボックス

釣れた魚を持って帰るためには、魚を入れるクーラーボックスが必要です。大きければ大きいほどいっぱい魚を持って帰れるのですが、大きすぎると船は狭くなるし、持ち運びも大変になってしまいます。

釣れる魚のサイズと必要な本数を考えて、適したサイズを選んで船に持ち込むようにしましょう。

現役シーバス船長

必要最低限のサイズのクーラーを持つことでこなれた感が出ますよ!もちろん食べない分の魚は優しく逃してあげてくださいね。

レインウェア

雨の日はもちろんですが、雨の予報がない日でも船に乗るときはレインウェアを着るか持ち込みましょう!

天気が急変して雨が降ってきたら、釣り船の上で濡れ続けるしかありません。

また、想定外に寒かった場合などの防寒着としてもレインウェアは役に立ちます。船の上で寒くなると本当につらいですよ!

現役シーバス船長

出船から下船まである意味耐えるしかない船の上では、とにかく快適に過ごせる準備を怠らないことが船釣りを楽しむコツです!

防水のバッグ

財布や貴重品などを船に持ち込む際に、濡れない場所を確保するためにも防水のバッグが一つあると非常に便利です。

また、一日便などでは食料を船の上に持ち込むため、防水バッグに入れてクーラーボックスの中に入れておけば食料の保管にも使えます。

現役シーバス船長

携帯の防水化が進んでいますが、海水は残念ながら大体非対応!専用のケースがなくてもジップロックで対応できます。

酔い止めの薬

心配なのが船酔いですよね。初めての乗船時には必ず乗り物酔いの薬を飲んで乗船しましょう!酔ってしまってはせっかくの楽しい釣りも、辛いだけの時間になってしまいます!

ほとんどの方は、乗船前に飲めば船酔いせずに一日過ごすことができます。心配であれば、前日寝る前に。さらに乗船の1時間前に飲むとさらに安心です!

現役シーバス船長

僕も船長という常々海に出ている職業ですが、海が荒れていれば絶対飲みます!

釣り船は敷居が高いなんてウソ

初心者や、釣り船に乗ったことがない人にとって、釣り船は非常に敷居が高いものに感じるかもしれません。

一度乗ればこんなに簡単なことだったのかと思うと思います。そして、魚ってこんなに釣れるんだと驚愕する事間違いなしです!

今回紹介した釣り船の乗り方を参考に“準備は万全に、ただし気軽な気持ち”で、一度釣り船に乗ってみてくださいね!

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