ひとり親・虐待LINE相談、若年層に好評 神奈川県試行

 神奈川県は22日、2月に無料通信アプリ「LINE」(ライン)を使って試行した女性、ひとり親家庭、児童虐待の無料相談の実施報告書を発表した。

 若者ら電話相談になじみの薄い人に、スマートフォンなどで気軽に相談してもらうことを目的に実施。県内の女性からドメスティックバイオレンス(DV)をはじめ、幅広い悩みを聞く「かながわ女性のための相談」(14日間)、「かながわひとり親家庭相談」(19日間)、子どもと保護者から相談を受ける「かながわ児童虐待防止相談」(28日間)の3種類が行われ、それぞれLINE相談の研修を受けた専門相談員が複数で対応した。

 「相談したい」という連絡を最も多く受けたのは、女性相談の691件。そのうち実際に相談実施に至ったのは421件だった。ひとり親相談は受け付けが341件で実施が176件、児童虐待相談は受け付けが264件で実施が179件だった。

 相談者は電話や来所相談よりも若年層が目立った。児童虐待相談では「子ども本人」が22.3%、ひとり親相談は20代と30代で計23.9%を占めた。女性相談でも「自宅に他の家族がいて電話相談は難しく、LINEで相談できてよかった」という意見が寄せられるなど、相談のしやすさを挙げる声も多かった。

 一方で、文字だけのやりとりから相談者の感情や状況を読み解くため、相談員に高いスキルが求められることなどが課題に挙げられた。県福祉子どもみらい局は「電話相談などで取りこぼしていた層が相談してくれたと思う。まとまった報告を見て、今後について検討したい」としている。

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