長崎くんち 記録本改訂 改元合わせ加筆修正 元長崎学研究所長 土肥原弘久さん

長崎くんちのしくみの改訂版を手にする土肥原さん=長崎市役所

 長崎市長崎学研究所の元所長、土肥原弘久さん(61)が、長崎くんちの神事の意義や踊町などの動きを分かりやすくまとめた「長崎くんちのしくみ 改訂版(令和版)」を5月1日に出版する。2016年に出版した本に、お上りやお下りを担当する神輿守町(みこしもりちょう)の紹介、踊町などの収支を加筆した。
 土肥原さんは1980年に市役所入庁。昨年3月に定年退職した。14年前から地元テレビ局でくんち解説者を務め、毎年踊町を取材。今回は改元に合わせ、次世代に記録を継承していこうと加筆修正した。
 改訂版は▽諏訪神事▽神輿守町▽踊町▽年当番町(年番町)の収支-の4章構成。口伝で継承されてきたさまざまな作法や決まりについて、写真を多用しながら分かりやすく紹介している。年当番町の収支では、踊町や神輿守町がどんな収入源を持ち、どのようなことに支出しているかを簡潔にまとめている。
 書籍はA5判、205ページで300部を製作。市内を中心とした大学や博物館などに寄贈するほか、好文堂書店(浜町)と長崎歴史文化博物館(立山1丁目)で一般販売する。1冊千円(税別)。
 土肥原さんは「くんちを体系的にまとめた資料は少なく、記録を次代に残したい。さまざまな視点からくんちを理解してもらい、親しんでほしい」と話している。

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