児童虐待根絶へ一丸、首脳らが共同宣言 9都県市首脳会議

 幼い命が奪われるなど深刻さを増す児童虐待問題を巡り、首都圏1都3県の知事と政令市長でつくる9都県市首脳会議は24日、東京都内で開いた会合で、一丸となって根絶を目指す方向で一致した。「子どもたちが笑顔で安心して暮らせる社会の実現に向け、児童相談所と警察、学校、地域との連携強化を図る」とする共同宣言を発表。虐待対応に当たる人材確保を国に要請する方針も確認した。

 千葉県野田市の小4女児死亡事件では、児相が県警への通報を怠るなど行政の相次ぐ不手際が発覚。政府による改正児童虐待防止法成立に向けた動きもある中、「首都圏共通の課題」(小池百合子都知事)として対応を急ぐ考えで合意した。

 連携強化の具体策として、児相と警察との情報共有にも言及。黒岩祐治知事が神奈川での導入例を報告すると、「学校との連携強化も進めていかなければならない」(相模原市)、「首都圏で同じ仕組みができることが大切だ」(川崎市)などと必要性に賛同する意見が相次いだ。

 黒岩知事は、児相や市区町村で児童福祉司1人当たりの対応件数が増加傾向にあるとも指摘。「都市部での人材確保は非常に困難」とし、専門人材の確保や財政措置を政府に要請することで合意した。

© 株式会社神奈川新聞社