黒船 - へヴンに黒船来襲! 「奄美島唄」、「津軽三味線」、「ジャズ」が織り成す新感覚サウンド!

黒船とは

──まず黒船というバンドについて説明して下さい

関谷:黒船とは、北の伝統芸能「津軽三味線」、南の伝統芸能「奄美の島唄」という2つの日本の伝統芸能と、アメリカで生まれたジャズを組み合わせた、全く新しい音楽を作っているミクスチャーバンドです。

──そもそもなんで黒船というバンドを作ろうと思ったのですか。

関谷:アメリカに留学してジャズを勉強していた時期があったのですが、帰国したら、意外と日本の音楽を知らないということに気がついたんです。なぜかというと、はなわちえさんという津軽三味線奏者と出会って、彼女の音にグサっときまして(笑)。何年かそのはなわちえさんのバンドのサポートをやっていたんですけど、いつか自分もそういう音楽をやってみたいと思っていました。LOFT HEAVENの前のラストワルツの時に、自分のソロプロジェクトの一環で、はなわちえさんとジャズのピアノトリオを組み合わせる企画を行いまして、そのDVDを作ろうという話しから、その時に演奏した黒船という曲がユニット名になって、なんとなく誕生したという感じですね。そういう意味ではこのLOFT HEAVENという箱とはものすごい縁が深いというか、昔からとても大事な会場だなと思っています。

──どこから白藤さんが参加したのでしょうか。

関谷:はなわさんは当時ソロ活動がメインで、彼女がイチオシで推薦してくれた後輩なんです。

白藤:そうですね。

関谷:自分と同じバンドの竹内くんと、彼がリーダーのピアノトリオのドラムの佐々木さんと知り合い、一緒にやりたいと思いまして。

──里アンナさんはどこで加入したのでしょうか。

白藤:それが最初はすごいイバラの道だったんですよね。

関谷:その時は里アンナちゃんとも出会っていて、前に所属していた事務所からアルバムを作る話になっていたのですが、レコーディング前にその事務所が解体しまして(笑)。

白藤:スタジオを予約して、リハ中に大の大人に土下座されて(笑)。ええっ!? って。突然その話がなくなってしまって。

──CDを作る気満々だったのに、このままじゃ終われないぞってなりますよね。

関谷:そうですね。それでアンナちゃんも含めて5人でとりあえず作ろうと。まだ5人でライブをやったことがないのに、CDを作りたいという気持ちは止められなくて、これしかないと思ってクラウドファンディングで資金を集めて、録音が初めてのバンド活動という、異色のスタートを切りました(笑)。

異種格闘技戦のようなバンドサウンド

──ファーストライブの時は感慨深かった?

関谷:ものすごく覚えていますね。

白藤:緊張というか、めちゃくちゃ間違えていました(笑)。なんかそれまでジャズとかアドリブとかもやったことがなくて、いろいろ大変でした。

関谷:当時は異種格闘技戦のような感じで、このバンドサウンドを作っていきたいという思いでしたね。

──曲のコンセプト、テーマ的なものは何ですか。

関谷:3つあって、1つは奄美の島唄を黒船流にジャズのハーモニーとかを付けてアレンジするということ。もう1つはジャズのスタンダードを奄美の島唄のニュアンスや、津軽三味線のフレーズとかを入れてリアレンジする。もう1つは、僕のオリジナルを演奏するということです。

──白藤さんはそもそもなぜ三味線を弾こうと思ったのでしょう。

白藤:ウチのおばあちゃんが三味線をやっていたんです。

──先祖代々的なかんじですか。

白藤:いえ、お母さんはまったく興味がなくて、本当はお母さんにやってほしかったみたいですけど、それで、お姉ちゃんに行って、お姉ちゃんも興味がなくて、私に来て、やり始めたらものすごくハマってしまったんです。初めて三味線を持ったのは8歳くらいでした。

──津軽三味線のフレーズなんかはどのように作っている?

白藤:関谷さんに「こういう感じ」って言われて、「こういう感じですか? こういう感じですか?」って(笑)。

関谷:かっこいいリフとかを先に作ってもらって。例えば今回ニューアルバムでジャズのスタンダード曲のキャラバンをやっているんですけど、メロディーを津軽三味線っぽく弾いてもらったり。

白藤:キャラバンに使うって知らずに「なんかこのテンポでかっこいいリフ下さい」って言われて、本当に適当に弾いたのが気づいたらキャラバンになっていました。それがすごい面白かったです(笑)。

──2013年に活動を初めて、遂にメジャーデビューしましたね。

関谷:最初にミュージックビデオを撮影したお寺で、5年越しにライブが実現したんですが、その時にユニバーサルの担当の方がたまたま見に来てくださっていて、「なんで君たちがWeather ReportのBirdland知ってるの?」とか「なんでこんな音楽をやっているのか」と、いい意味で興味を持ってくれて。組み合わせが新鮮だったと思うんです。ジャズのマイ・フェイヴァリット・シングスに津軽三味線とか。

──メジャーデビューしてなんか変わったことは。

関谷:ミュージックビデオの初動がすごくなりました(笑)。

──ミュージックビデオといえば、4/6に新しい動画が公開になりましたね。

関谷:「津軽じょんがら節~Promised Land」というオリジナル曲なのですが、7分の超大作になっております(笑)。日本の良さを海外の人に伝えるというコンセプトで作りました。

日本の音楽のかっこよさを発信したい

──5月にはドイツ公演もあるそうで。

関谷:昨年9月5日の自分の誕生日に突然emailが来まして(笑)、ドイツのデュッセルドルフで日本デーというのがあって、10万人くらいが集まるらしいんですが、なんとそこのトリで演奏させていただくことになりました!

──黒船の今後の活動、野望的なものは?

関谷:これは結成当初から変わっていないんですけど、より多くの世界の人達に向けて、津軽三味線の音色と、島唄の歌声は、こんなにかっこいいんだぞということを、世界共通の言語のジャズを使って世界に発信していきたいですね。個人活動が皆それぞれ盛んなバンドですが、それを黒船に持って帰ってきてもらって、そういうエッセンスを取り入れられればいいなと思います。ドイツでのライブもそうですけど、2020年オリンピックイヤーですし。夢は大きく、オリンピックの開会式でやりたいですねえ(笑)。新国立競技場で!

白藤:三味線に興味ない人が聞いてもかっこいいと思ってもらえると思うので、それで初めて三味線に興味をもってもらえたら嬉しいですね。

──最後に5/11のライブの見どころをファンに向けて教えて下さい。

関谷:ニューアルバム『Journey』を聞いてもらって、公開になったYouTubeも見ていただき、CDの音源とライブがどれだけ違うのかというところを聞いていただきたいです。

白藤:和楽器、アンナさんの歌声と、生で聞くと本当に迫力が違うと思うので、ぜひ聴きに来てほしいです!

<黒船プロフィール>

関谷友貴 [Bass]

里アンナ [Vocal]

白藤ひかり [Tsugaru-shamisen]

竹内大輔 [Piano]

佐々木俊之 [Drums]

踊れるジャズバンド”TRI4TH”のベーシストとして活躍する関谷友貴を中心とし、大河ドラマ「西郷どん」メインテーマ歌唱の”奄美の歌姫”里アンナ、津軽三味線「最年少日本一」の栄冠を持つ白藤ひかり [from 輝&輝]、ピアニスト竹内大輔 [from TRI4TH]、ドラマー佐々木俊之 [from Nautilus]からなる、日本の伝統芸能である北の津軽三味線と南の島唄を内包した新感覚のミクスチャーJAZZバンド。2013年結成。

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津軽じょんがら節~Promised Land

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